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キルギスに対する無償資金協力(食糧増産援助)について

平成17年2月28日

  1. わが国政府は、キルギス共和国政府に対し、食糧増産援助の実施を目的として、2億円を限度とする額の無償資金協力(食糧増産援助)を行うこととし、このための書簡の交換が、2月28日(月)、ビシュケクにおいて、わが方角崎利夫駐キルギス大使(カザフスタンにて兼轄)と先方ボロット・アビルダエフ財務大臣(Mr.Bolot ABILDAEV, Minister of Finance of the Kyrgyz Republic)との間で行われた。

  2. 旧ソ連邦崩壊後の1991年に独立したキルギスは、市場化経済に向けた経済改革を推し進めているが、石油などの天然資源を持たず特筆する産業がないことから、経済は低迷している。国土の半分近くが海抜3000メートルを超える山岳地帯であるため、農地は国土の7%に過ぎないが、同国の経済は農業に大きく依存しており、農業生産はGDPの4割を占めている。しかしながら、農村での貧困層は増大しており、独立直後20%程度であった貧困層は、現在は6割にまで拡大しており、農業の発展が重要課題となっている。しかしながら、旧ソ連時代の分業体制の中で畜産業が重点的に行われていたために、穀物生産は重視されていなかったことに加えて、独立後、農業機械の更新が行われなくなったために、穀物生産は減少しており、現在では主食である小麦の自給率も5割となっている。このため、貧困削減と併せて食糧安全保障も重要課題となっている。特に、キルギスが保有するコンバインの多くは、10年以上前に調達されたもので、老朽化が著しく、収穫ロスも2~3割と非常に高いため、生産量の向上に支障をきたしている。このような状況の下、キルギス政府は主要作物である小麦の食糧増産を目的として、農業機材調達に必要な資金につき、わが国に対し、無償資金協力を要請してきたものである。

  3. わが国は、食糧生産の向上を目指す開発途上国の自助努力を支援するために、食糧増産援助を実施しており、この計画の実施により、キルギスにおける小麦の早期の自給達成に寄与することが期待される。

    (参考)
     キルギス共和国は、中央アジアに位置し、人口は約510万人、一人当たりGNI(国民総所得)は約330ドルの国である。
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