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ブータンの「農村道路建設機材整備計画」ほか1件に対する無償資金協力について

平成17年2月15日

  1. わが国政府は、ブータン王国政府に対し「農村道路建設機材整備計画」および「第二次橋梁架け替え計画」の実施に資することを目的として、5億6,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、2月15日(火)、ティンプーにおいて、わが方柳秀直駐ブータン公使(インドにて兼轄)と先方ニマ・ワンジ財務省援助・債務管理局長(Nima Wangdi, Director-General, Department of Aid and Debt Management, Ministry of Finance)との間で行われた。

    (1)「農村道路建設機材整備計画」
    (the Project for Improvement of Machinery and Equipment for Construction of Rural Agricultural Road)
     供与限度額 5億2,100万円


    (2)「第二次橋梁架け替え計画」
    (the Project for Reconstruction of Bridges, Phase 2)
     供与限度額 4,600万円

  2. (1)「農村道路建設機材整備計画」
     ブータンでは、農業はGDP(国民総生産)の32.7%を占める主要産業である。しかし、米およびトウモロコシ、小麦、大麦などの主要農作物は地形的制約や栽培技術の遅れなどにより生産性が低く、果実や馬鈴薯及び野菜を中心とした園芸作物は市場への交通が貧弱であるために商品化が遅れている。
     特に東部地域の6県は中部および西部地域に比べて道路網の整備が遅れているため、余剰農作物が主として地域内で流通しており、農業・畜産業の経営規模や収入が小さく、園芸作物等による農作物の商品化が遅れている等の課題を抱えている。
     農業開発を進めるとともに、僻地の住民が医療、教育等の最低限のサービスを受けられるよう、ブータンは2007年までに約550kmの農村道路を整備する予定である。実施機関である農業省農業局は農村道路を建設する機材を保有しているが、大部分が老朽化のため作業効率が著しく低下している。
     このような状況の下、ブータン政府は、東部地域6県の農村道路235kmを3年間で建設するための機材の調達のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、東部地域の農産物の流通が促進され、農家の所得が向上することによりブータン国内の地域間格差が是正されることが期待される。

    (2)「第二次橋梁架け替え計画」
     国土の大部分が険しい山岳地帯であるブータンでは、幹線道路が唯一の交通手段となっているため、社会経済活動を発展させるためには効率的で安全な道路網の確立が不可欠である。
     しかし、公共事業・定住省道路局が管轄する主要道路の橋梁は、大部分が仮設用の構造でそのほとんどが老朽化により大型車両の通行が制限されている。特に、国道上に位置するワクリタル橋と、県都と他地域を結ぶ唯一の県道に位置するタンマチュー橋、スンコシ橋は、通年にわたり主要道路の交通を確保し、国土全体の均衡ある発展を目指す上で障害となっている。
     このような状況の下、ブータン政府は、ワクリタル橋、タンマチュー橋、スンコシ橋を架け替えるために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、物流の円滑化が図られ周辺地域の経済の活性化が促進されるとともに、地域住民の生活物資の輸送、通学、通院が容易となり、住民生活が向上する。

    (参考)
     ブータンは、面積約4万6,500平方キロ、人口約65.8万人(2000年ブータン政府資料)、人口1人当たりのGNI(国民総所得)590米ドル(2002年世銀資料)である。
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