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南アフリカの「東ケープ州基礎医療機材整備計画」に対する無償資金協力について

平成17年1月31日

  1. わが国政府は、南アフリカ共和国政府に対し、「東ケープ州基礎医療機材整備計画」(the project for Improvement of Medical Equipment for Primary Health Care Institutes in Eastern Cape Province) の実施に資することを目的として、10億3,800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月31日(月)、プレトリアにおいて、わが方重家俊範駐南アフリカ国大使と先方チャバララ=ムシマング保健大臣(Dr. M. E. Tshabalala-Msimang, Minister of Health of the Republic of South Africa)との間で行われた。

  2. 南アフリカにおいては、1994年に全人種参加の民主的選挙によりマンデラ政権が成立したが、長きにわたったアパルトヘイト政策の結果としてもたらされたあらゆる面での人種間格差は極めて大きい。例えば、1世帯当たり所得で比較すれば、白人世帯平均所得は、黒人世帯平均所得の約6倍であるといわれている。
     本計画の対象となる東ケープ州オリバータンボ地区は住民(182万人)の約90%が貧困黒人層という大規模の旧黒人居住区を抱えており、旧政府時代の政策の結果生じた人種間格差が続いている。この格差解消のために南アフリカ政府は「国家保健政策」や「東ケープ州保健政策」を策定し、医療施設の改修および改築を実施してはいるものの、基礎的な医療機材を整備するための予算までは確保出来ていない。したがって、医療機材の老朽化や絶対的不足状態が続いており、住民は満足な保健医療サービスを受けられない状態にある。
     このような状況のもと、南アフリカ政府は、最貧困地域であり、基礎保健医療サービスの需要が大きい東ケープ州オリバータンボ地区における基礎医療機材の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、東ケープ州オリバータンボ地区の地区病院、保健センターおよびクリニックの機材整備により、対象地区に居住する182万人に対する医療サービスが改善される。また、モバイル・クリニック(巡回診療車)の整備により、従来クリニックへのアクセスが困難な僻地の住民への医療サービスが図られることとなる。

  4. わが国は、南アフリカの再建復興努力を支えるために、これまで基礎生活分野(小学校建設、給水施設建設、医療機材供与等)で貧困層が裨益する支援を行ってきており、本件実施はその一環である。

  5. なお、今回の協力は、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環で実施されるものである。

    (参考)
     南アフリカは、総人口が4,483万人で、一人当たり国民総所得が2600ドル(2003年)の低中所得国(世銀ランク)である。
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