
フィジー諸島共和国の「ラミ漁港再開発計画」に対する無償資金協力について
平成17年1月24日
- わが国政府は、フィジー諸島共和国政府に対し、「ラミ漁港再開発計画(the Project for the Redevelopment of Fisheries Lami Jetty)」の実施に資することを目的として、総額5億7,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月24日(月)、フィジー諸島共和国スバ市において、わが方飯野建郎駐フィジー諸島共和国大使と先方カリオパテ・タボラ外務貿易大臣(Hon. Kaliopate Tavola, Minister for Foreign Affairs and External Trade)との間で行われた。
- 水産業は、フィジー諸島共和国にとって、動物性蛋白質の供給源ばかりでなく、衣料品・砂糖に次いで外貨獲得に大きく貢献している産業である。同国は、「深海タイ類開発計画」「小規模まぐろ類開発計画」を策定し、零細漁業の一部沖合漁業への転換を推進して、沿岸魚の資源保存および沖合の余剰資源の開発を計っている。
しかしながら、100隻以上の沖合漁船の活動拠点であるスバ湾では、漁港施設の整備が遅れており、漁船専用岸壁であるムアイワル桟橋の利用率は常に200%近い混雑状況が続いていることから、スバ湾内における漁業基盤整備が緊急課題になっている。
ラミ漁港は、スバ湾の混雑緩和と零細漁業の一部沖合漁業への転換計画を背景に1994年に整備されたが、木製桟橋は規模が小さく、また強度が不足しており既に老朽化が進み安全性が失われており、当初の目的を果たせない状況にある。
このような状況の下、同国政府は、スバ湾のムアイワル桟橋の混雑緩和および零細漁業の一部沖合漁業への転換という政府計画の推進を図ることを目的に、ラミ漁港の桟橋を整備する、「ラミ漁港再開発計画」を策定し、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである
- この計画の実施により、スバ湾の漁業桟橋の混雑が緩和され、漁船の安全確保が期待される。
(参考)フィジー諸島共和国は南太平洋の300以上の島々からなる島嶼国で、面積は約1万8,333km2(四国程度)、人口は約85万人である。