
キリバスの「クリスマス島沿岸漁業振興計画」に対する無償資金協力について
平成17年1月20日
- わが国政府は、キリバス政府に対し、「クリスマス島沿岸漁業振興計画(the Project for Kritimati Island Coastal Fisheries Development)」の実施に資することを目的として、総額7億3,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月20日(木)、フィジー国スバ市において、わが方飯野建郎駐キリバス国大使(フィジーにて兼轄)と先方テタボ・ナカラ漁業天然資源開発大臣(Hon. Tetabo Nakara, Minister for Fisheries and Marine Resource Development)との間で行われた。
- キリバス国民は、魚が主食であると言っても良い程の食嗜好を持っているが、人口の半分以上が集中している首都タラワでは魚類が不足しており、同国の離島や周辺国より冷凍魚や魚缶詰を輸送して不足分をまかなっている。
クリスマス島は、同国東部のライン諸島にある世界最大の珊瑚礁島で、島民の95%以上が漁業に従事している。同島周辺の水産資源は非常に良好な状況にあり、キリバス漁業公社(CPPL)クリスマス島支社は、タラワでの需要に応えるため、クリスマス島で漁獲された水産物を冷凍し、タラワへ輸送・販売する事業を2002年より開始している。
CPPLでは、水産資源面での開発余力が大きいクリスマス島からの冷凍魚の輸送を更に増強する計画を立てているが、CPPLクリスマス島支社の水揚げ施設、加工処理施設・機材は不十分な上に老朽化しているために、水産物の加工における品質の確保および冷凍魚の保存に支障を来している。
このような状況の下、同国政府は、クリスマス島の水揚げ施設、加工処理施設・機材を整備し、安定的に冷凍魚をタラワに輸送することが可能となるよう、「クリスマス島沿岸漁業振興計画」を策定し、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである
- この計画の実施により、クリスマス島での水揚げ作業の安全、良好な加工環境、安定した冷凍作業が確保され、また、タラワへ安定的な冷凍魚の供給が期待される。
(参考)キリバスは赤道と日付変更線の交点を中心に、ギルバート、フェニックス、ラインの各諸島からなる島嶼国で、面積は約720k?(対馬程度)、人口は約9万人である。わが国は、キリバスの排他的経済水域(EEZ)内で、年間約1~5万tのかつお・まぐろ類を漁獲している。