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カンボジアの「カンダルスタン灌漑施設改修計画(詳細設計)」ほか1件に対する無償資金協力について

平成17年1月18日

  1. わが国政府は、カンボジア王国政府に対し、「カンダルスタン灌漑施設改修計画(詳細設計)」および「カンボジアにおける平和構築と包括的小型武器対策プログラム(第2フェーズ)」の実施に資することを目的として総額5億1千万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月18日(火)、プノンペンにおいて、わが方高橋文明駐カンボジア王国大使と先方ハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力大臣(H.E. Mr. HOR Namhong, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で行われた。

    (1)「カンダルスタン灌漑施設改修計画(詳細設計)」
    (the Project for the Rehabilitation of the Kandal Stung Irrigation System)
    4,400万円

    (2)「カンボジアにおける平和構築と包括的小型武器対策プログラム(第2フェーズ)」
    (Peace Building and Comprehensive Small Arms Management Programme in Cambodia(Phase II)
    4億6,600万円
  2. (1)「カンダルスタン灌漑施設改修計画」
     カンボジアにおいては農業が主要産業であり、稲作がその中心であるが、全国の水田のうち灌漑施設が整備されているのは約18%に過ぎず、これらの施設も損傷・老朽化や構造上の欠陥により所定の機能を果たしていないのが現状である。このため、同国は自然条件に恵まれているにも拘わらず農業生産性が低く、農村部における貧困の原因の一つとなっている。
     このような状況を受けてカンボジア政府は、首都プノンペン近郊のカンダール州カンダルスタン地区において、灌漑施設の改修を通じて農業生産性の向上を図る計画を策定し、わが国の無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、1,950ヘクタールの農地への灌漑用水の安定的供給が確保されて、在来種の米の収穫量増加及び早稲の雨期二期作が可能となることから、1万3,400人(2,800戸)の農業人口が直接裨益するとともに、これら農民の間で水利組合の設立、灌漑施設の維持・管理等への参加意欲が高まって、当該農村部の経済社会開発が促進されることが期待される。

    (2)「カンボジアにおける平和構築と包括的小型武器対策プログラム(第2フェーズ)」
     1970年以降内戦が続いたカンボジアにおいては、1991年のパリ和平協定署名を経て和平が進展し、現在、内政の安定度は高まってきている。しかし、長い内戦がもたらした多量の小型武器は、同国の治安を脅かす大きな要因となっていることから、カンボジア政府としても、小型武器対策法の制定等種々の対策を講じている。
     本プログラムは、地域住民からの小型武器の自発的供出に対し、その対価として地域住民の要望に沿った開発(道路、井戸、橋、学校等の修復・建設)を提供し、更に回収した武器を焼却するための式典開催や、同政府による小型武器の管理・登録のためのシステム作りを支援する等小型武器対策のための包括的なプログラムである。このプログラムに対するわが国の協力は既に実施されており、平成15年4月以降、バンティアイミアンチェイ州、オッドーミアンチェイ州、シアムリアップ州において9,000丁を越える小型武器を回収した。今回決定した協力は本プログラムの第2フェーズであり、主にプレアビヒア州及びコンポントム州における小型武器の回収を行うものである。このプログラムの実施により、小型武器の回収が促進され、カンボジアの治安の改善に資することが期待される。

(参考)
カンボジア王国は、東南アジアに位置し、人口1,380万人、国民1人あたりのGNI(国民総所得)は280ドルである。
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