
キルギスの「国営放送局番組制作機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成17年1月14日
- わが国政府は、キルギス共和国政府に対し、「国営放送局番組制作機材整備計画」(the project for the Improvement of Program Production Equipment of the National TV and Radio Broadcasting Corporation)の実施に資することを目的として、総額6億8,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月14日(金)、ビシュケクにおいて、わが方角崎利夫駐キルギス大使と先方ボロット・アビルダエフ財務大臣(Mr. Bolot Abildaev,Minister of Finance of the Kyrgyz Republic)との間で行われた。
- 同国国営放送局は、独立以前はモスクワ放送の1支局であったが、91年の独立以後に、現在の組織に改編され、現在、キルギス全土にキルギス語で放送を行う唯一の放送局となっている。現在、同局で使用している主要な放送機材は、既に製造から15年以上が経過しており、保守用部品等の入手も不可能になっており、これら放送機材の運用体制は限界に達している。
このため、同国では、1995年にわが国が実施した開発調査「全国ラジオ・テレビ放送網整備計画」の提案を踏まえ、2002年に、同国の放送サービスの改善・強化を図ることを目的とした「ラジオ・テレビジョン放送網近代化計画」を策定し、放送サービスの改善に取り組んでいる。
しかしながら、保有している放送機材が不足しているため、正確・迅速なニュース制作等の番組制作上の需要を十分に満たすことができないことに加え、既存の機材では、番組の編集等の番組制作に支障を生じている。
このような状況下で、キルギス政府は国営放送局の機能回復を図り、効率的な番組制作を行うことを目的として、「国営放送局番組制作機材整備計画」を策定し、この計画の実施に必要な番組制作機材等の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- 本計画の実施により、国営放送局の機能回復が図られるとともに、キルギス語による自主制作番組の拡大が可能となる。これにより、同局では、地方の社会問題や文化等を伝える番組制作を行う予定であり、自然災害、事故・事件、社会的催物等の情報を地域住民に即時に伝達することが可能となる。また、ニュース制作等において、公正で中立的な番組の制作を行うことが可能となり、同国における民主化の促進に寄与することが期待される。
(参考)
キルギス共和国は、中央アジアに位置し、人口は約510万人、一人当たりGNI(国民総所得)は約330ドルの国である。