
モーリタニアに対する無償資金協力(食糧援助)について
平成17年1月4日
-
わが国政府は、モーリタニア・イスラム共和国政府に対し、3億円を限度とする額の無償資金協力(食糧援助)を行うこととし、このための書簡の交換が1月2日(日)、モーリタニア共和国のヌアクショットにおいて、わが方中島明駐モーリタニア国大使(セネガルにて兼轄)と先方シディ・ウルドゥ・デイディ経済開発大臣(S. E. M. Sidi OULD DIDI, Ministre des Affaires Economiques et du Developpement de la Republique Islamique de Mauritanie)との間で行われた。
- モーリタニアでは、農業は労働人口の約55%(約60万5千人)が従事し、国内総生産(GDP)の27%を生産する重要な産業の一つである。しかしながら、国土の大部分(約85%)が砂漠地帯に属するという極めて厳しい環境の中で農業が営まれており、耕作可能な地域は同国南部のセネガル河流域に限られている。また、同国では約3%の高い人口増加率、干ばつ・砂漠化の進行等の影響により食糧総需要の約60%を輸入に依存するという構造的な食糧不足の状況にある。さらに、北西アフリカからサヘル地域での昨年からの砂漠バッタの異常発生が、同地域の農作物への被害をもたらしたが、特にモーリタニアは被害が大きく食糧事情が危機的状況に至っている。バッタによる被害面積は、耕地、牧草地を含め、国土の40%から50%以上に及び、深刻な食糧危機が予想されている。
このような状況の下、わが国としては、モーリタニアからの要請に基づき、人道的観点から食糧援助を実施するものである。
- なお、今回の協力は、2003年に東京で開催された第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環として実施されるものである。
(参考)
モーリタニアは西アフリカ地域に位置し、総人口が282.9万人(2001年)で、一人当たりGNI(国民総所得)が360米ドル(2001年)の低所得国(世銀ランク)である。