
モザンビークにおける農薬処理事業に対する食糧増産援助について
平成16年12月22日
- わが国政府は、国際連合食糧農業機関(FAO)によるモザンビーク共和国における農薬処理事業を支援するため、食糧増産援助を通じて1億6,000万円(約145万ドル)の支援を行うこととし、このための書簡の交換が、12月22日(金)ローマにおいて、わが方松原亘子駐イタリア国大使と先方デヴィッド・ハチャリックFAO事務次長(Mr. David HARCHARIK, Deputy Director General)との間で行われた。
- FAOによれば、アフリカ諸国には使用されないまま期限切れになり、廃棄しなければならないオブソリート農薬が約5万トンある。こうした農薬は環境や人体に悪影響を及ぼす恐れがあるため、FAOは持続的な農業開発を推進する観点から、アフリカにおけるオブソリート農薬の廃棄を進めるとともに、さらなる蓄積の防止を促すための事業を展開している。
- 今回の支援では、FAOの専門家等を通じ、モザンビーク全土191ヵ所に分散している廃棄の必要な農薬450トンを中央の集積所に集め、安全な形に再梱包すると同時に、モザンビーク政府による農薬の管理と運用に係わる政策の策定と国内法の見直し、予防対策の策定、農薬収納庫の改善等を支援する。なお、FAOは本事業の完了後、次のフェーズでは梱包した農薬を最終的に海外に移送し、適切な施設のもとで廃棄する予定である。
- 今回の支援を通じて、モザンビークにおけるオブソリート農薬問題が解決に向けて進展し、同国の持続的な農業開発に寄与することが期待される。
(参考)
- オブソリート農薬とは、製造された当初の目的を果たすことがもはや出来なくなり、他の用途にも役立たなくなったため、廃棄しなければならなくなった農薬のことを指す。
- 平成14年12月、わが国は食糧増産援助に対する抜本的な見直しを行い、農薬については国際機関が責任をもって供与する場合を除いて、供与しない方針を決定した。わが国によるオブソリート農薬処理事業への貢献は、開発途上国の農薬等の使用・管理について意識を高め、開発途上国の食糧自給のための自助努力を支援するとの観点から極めて重要である。