
ザンビアの「第二次感染症対策計画」に対する無償資金協力について
平成16年12月6日
- わが国政府は、ザンビア共和国政府に対し、「第二次感染症対策計画」(the Project for Infectious Deseases Control, Phase II) の実施に資することを目的として、4億1,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月6日(月)、ルサカにおいて、わが方宮下正明駐ザンビア国大使と先方シトゥンベコ・ムソコトゥワネ財務・国家計画省財務官(Dr. Situmbeko Musokotwane, Secretary to the Treasury, Ministry of Finance and National Planning of the Republic of Zambia)との間で行われた。
- ザンビアは近年のHIV/AIDSの流行により平均寿命の低下ならびに主要感染症である結核の急増といった問題を抱えているため、同国は「結核対策計画(2002~2005)」を策定し、中央保健委員会に結核専門官を配置するなどの体制を整え、結核患者の発見、抗結核薬の投与、患者記録の整備等に重点的に取り組んでいる。
- また、ザンビアではマラリアや急性呼吸器感染症、下痢症、赤痢等が広く蔓延しているほか、HIV/AIDSによる免疫力の低下から感染症罹患の増加が懸念されている。これら疾病への対応と地域レベルの保健サービスの向上のため、同国政府は、地域のヘルスセンターに必須医薬品・衛生用品をパッケージにしたヘルスセンターキットを配布することとしているが、同国の財政事情では十分な調達が行えない状況となっている。
- このような状況の下、ザンビア国政府は、結核検査のための試薬ならびにヘルスセンターキットの調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- なお、わが国は、昨年度「感染症対策計画」にて、抗結核薬、結核検査のための試薬ならびにヘルスセンターキット各1年分を供与しているが、同国は財政難から引き続き、今次計画を策定・要請してきたものである。
- この計画における検査試薬の調達により、35万回分の喀痰塗抹検査が可能となり、約35,000人の結核感染者発見に貢献し、それら患者への治療の機会を与えることが期待される。また、ヘルスセンターキットの調達により、地域のヘルスセンターでの保健医療サービス向上が期待され、全国で年間約1,900万人の来院患者への治療が可能となることが期待される。
- なお、今回の協力は、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環で実施されるものである。
(参考)
ザンビアは南部アフリカに位置する人口約1,080万人の内陸国であり、1人あたりGNI(国民総 所得)は330ドルと低い水準にある。