
スーダン共和国ダルフール地域における紛争被災民向け食糧増産援助について(国連食糧農業機関(FAO)経由で実施するもの)
平成16年11月12日
- わが国政府は、国際連合食糧農業機関(FAO)を通じ、スーダン共和国における紛争被災民に対し、5,500万円(約50万ドル)の食糧増産援助を行うこととし、このための書簡の交換が、11月12日(金)ローマにおいて、わが方松原亘子駐イタリア国大使と先方デヴィッド・ハチャリックFAO事務次長(Mr. David HARCHARIK, Deputy Director General)との間で行われた。
- 本件食糧増産援助は、紛争と旱魃に困窮するスーダン西部ダルフール地域の国内避難民及び地元住民を対象に、深刻な食糧不足を改善するとともに、被災民による食糧自給と自立回復を促すために、FAOを通じ、ソルガム(キビの一種)等の穀物の種籾、トマト等野菜の種子及び農具を配布する食糧増産援助を実施するものである。
- 今回のダルフール地域への食糧増産援助は、小泉純一郎総理大臣が本年9月の国連総会一般討論演説において表明したダルフール難民・国内避難民に対する人道支援の追加支援分1,500万ドル(既に拠出した分と併せ総額2,100万ドル)の一環として実施するものである。
(参考)
- スーダン西部のチャドと国境を接するダルフール地域では、従来からアラブ系遊牧民とアフリカ系定住農民の間で水と遊牧地をめぐる衝突が続いていたが、右に加え約2年前からアラブ系遊牧民民兵組織がアフリカ系住民を頻繁に襲撃するようになった。この結果、約160万人の国内避難民が発生し、穀物収穫量が激減、食糧の市場価格も急騰し、国内避難民及び地元住民にとり深刻な食糧不足が発生している。加えて、同地域では近年旱魃が継続しているため、紛争により避難民・住民の食糧自給能力は極端に低下している。このままでは耕作地の荒廃も避けられず、食糧不足と援助依存の長期化も懸念される。
- わが国は、このような状況を改善するため、紛争と旱魃に窮するダルフール地域の国内避難民及び地元住民を対象に、その食糧自給力を高めることを目指すFAOの事業を通じた支援を行うものである。