
パキスタンの「ファイサラバード上水道整備計画」のための無償資金協力について
平成16年10月10日
- わが国政府は、パキスタン・イスラム共和国政府の「ファイサラバード上水道整備計画」の実施に資することを目的として、総額7億800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が11月10日(水)、イスラマバードにおいて、わが方田中信明駐パキスタン国大使と先方シュジャ・シャー経済省次官(Mr. Shuja Shah,Secretary to the Government of Pakistan, Economic Affaires Division)との間で行われた。
- パキスタンにおいては、上水道普及率が人口の63%(2001年)にとどまっており、肝炎、下痢、チフス等水因性疾患が5歳未満乳幼児死亡数の60%を占めるなど、安全な飲料水の普及が課題となっている。パンジャブ州中央部に位置し、パキスタン第3の都市であるファイサラバード市(人口230万人)では、予想を超える人口増加や取水量の減少により、市内の給水は1日3回各1~2時間の時間給水に限定されているほか、市郊外の地区ではほとんど取水ができないなど、最低限必要な飲料水等の供給が困難な状態に陥っている。
- このような状況の下、パキスタン政府は、「ファイサラバード上水道整備計画」を策定し、取水井、送水管、浄水場等の建設及び市内配水管の改修に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力の要請があったものである。
- 今回の協力により、ファイサラバード市の市民約230万人が、安全かつ安定した量の給水を受けることが可能となり、肝炎・下痢・チフス等の水因性疾患が軽減され、市民の保健・衛生環境が改善される。
(参考)
パキスタン・イスラム共和国は、南西アジアに位置し、人口1億4,400万人、国民1人あたりのGNI(国民総所得)は約457ドルである。