パレスチナ暫定自治政府の財政改革のための世界銀行に対する無償資金協力(紛争予防・平和構築無償)について
平成16年9月18日
- わが国政府は、パレスチナ暫定自治政府による財政管理改革の努力を支援するため、世界銀行に設けられた西岸ガザ財政管理改革信託基金に対し、1,000万ドルの無償資金協力(紛争予防・平和構築無償)を行うこととし、このための書簡の交換が、9月18日(土)(現地時間同17日(金))、米国ワシントンDCにおいて、わが方加藤良三駐米国大使と先方ジェームズ・ウォルフェンソン世界銀行総裁(Mr. James Wolfensohn, President of the World Bank)との間で行われた。
- パレスチナ自治区では、2000年9月のイスラエル軍との衝突発生以来、イスラエル軍が同自治区を封鎖して人や物資の移動を制限したこと等により経済状況が悪化しており、パレスチナ暫定自治政府は大幅な財政赤字に見舞われている。
- 今回の紛争予防・平和構築無償は、このような経済状況の中で世界銀行等の協力を得つつ粘り強く財政改革を進めているパレスチナ暫定自治政府を支援するものであり、具体的には、同自治政府の経常支出を賄うために資金が使用される。
- 今回の無償資金協力により、パレスチナ暫定自治政府の厳しい財政事情が改善し、同政府が改革を進展させることが期待される。
- なお、今回の支援については、本年2月に来日したナビール・シャアス・パレスチナ暫定自治政府外務庁長官およびサラーム・ファイヤード財務庁長官より支援要請がなされ、同5月のG8(主要8ヶ国)外相会合の際に、川口順子外務大臣より同支援を行う旨表明したものである。
(参考)
パレスチナ自治区は、地中海の東岸に位置し、イスラエルとヨルダンに挟まれた西岸地区およびイスラエルとエジプトに挟まれたガザ地区とから成る。中東戦争の結果1967年以降イスラエルにより占領されていたが、1993年のオスロ合意によりパレスチナ人による暫定自治が認められている。両地区を合わせた人口は約340万人であり、1人当たりの国内総生産は925ドル(2003年、世銀)と推定されている。