
ガンビアの「第ニ次地方飲料水供給計画(第1期)」に対する無償資金協力について
平成16年9月15日
- わが国政府はガンビア共和国政府に対し、「第ニ次地方飲料水供給計画(第1期)」に資することを目的とし、総額2億7,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、9月14日(火)、ガンビアのバンジュールにおいて、わが方中島明駐ガンビア国大使(セネガルにて兼轄)と先方バブカール・ブレーズ-イスマイラ・ジャーニュ外務大臣(Honourable Babucarr Blaise Ismaila Jagne, Secretary of State for Foreign Affairs)との間で行われた。
- ガンビア政府は、1996年に長期開発計画「Vision2020」を、2002年には「貧困削減戦略ペーパー」(PRSP)を策定し、国民の生活水準向上のため地方における良質の飲料水の確保を重点政策として掲げている。同国政府により各地に井戸等の地下水供給施設が建設され、井戸の運営管理に関する技術支援等が行われてきたが、国民の3分の1近くが不衛生な飲料水の使用を余儀なくされている状況である。
また、わが国はガンビア政府の要請を受け、1992年より無償資金協力案件「地方飲料水供給計画」を実施したが、1994年の政変によりこの計画は中断され、当初予定された30ヵ村のうち20ヵ村が未実施の状態であった。
このような状況の下、同国政府は、残りの20ヵ村における給水施設の建設、及び、既に実施した村落における機材供与を目的とした「第二次地方飲料水供給計画」を策定し、その実施に必要な資金につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画では、20ヵ村の50サイトにおいて給水施設(井戸、ポンプ、給水塔、発電機、ソーラー揚水システムを含む)を建設するとともに、すでに「地方飲料水供給計画」として実施済みの9ヵ村(残りの1ヵ村は既に改修済みのため対象外)における揚水システムの改修のための機材供与、地下水開発の支援車輌、モニタリング機材、維持管理用機材の調達を行う。
この計画の実施により、対象地域の合計29村落の住民約8万人にWHO(世界保健機関)水質基準に則した安全な飲料水が安定的に供給され、対象地域における住民の水へのアクセスが大幅に改善するとともに、地方人口70万人の給水率が上昇することが見込まれる。その結果、対象村落住民の衛生環境が改善し、水因性疾患の発症率が減少するとともに、就学期の児童や女性が水汲み労働から解放され、就学・就職の機会が増え、貧困からの脱却に資することが期待される。
- 今回の協力は、2003年に東京で開催された第3回アフリカ開発会議(TICADIII)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環として実施されるものである。
(参考)
ガンビアは西アフリカ地域に位置し、総人口が142.1万人(2003年)で、一人当たりGNI(国民総所得)が310米ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。