
パプアニューギニアの「ハイランド橋梁改修計画」に対する無償資金協力について
平成16年9月9日
- わが国政府は、パプアニューギニア政府に対し、「ハイランド橋梁改修計画(the Project for Rehabilitation of Bridges on Highlands Highway)」の実施に資することを目的として、総額4億1,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が9月9日(木)、ポートモレスビーにおいて、わが方山下勝男駐パプアニューギニア国大使と先方ラビー・ナマリュー外務・入国管理大臣(The Right Honourable Sir Rabbie Namaliu, Minister for Foreign Affairs and Immigration)との間で行われた。
- ハイランド国道は、同国最大の貿易港であるレイ港から、同国の人口の約3分の2が生活するハイランド地域を結ぶ国道で、同国の重要輸出品である銅鉱石や木材、コプラのハイランド地方からレイ港への輸送や、レイ港からハイランド地方への生活物資や食料品を輸送を担う、同国の大動脈である。
しかしながら同国道は、急峻な山地を貫通するため、大水による橋梁の冠水や流出等により頻繁に通行止めが生じている。また、橋梁の大半は1車線であるため、大型貨物車が多い同国道において輸送時間の増大や事故の多発を招いているだけでなく、1960年代に建設されているため、設計加重が不足している上に、老朽化による亀裂の発生やコンクリートの剥離が生じている。
ハイランド国道には、迂回路が存在しないため、大水や地震で橋梁が破壊された場合、同国経済に深刻な影響を与えてしまうことから、これら老朽化した橋梁の改修は、緊急の課題となっている。
このような背景の下、パプアニューギニア政府は、大水時に通行に支障を生じたり老朽化が進行しているハイランド国道上の橋梁の改修および架け替えを行う「ハイランド橋梁改修計画」を策定し、この計画の実施に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、ハイランド国道の安定的な交通の確保が期待される。
(参考)
パプアニューギニアは、オーストラリアの北方に位置し、ニューギニア本島を中心とする大小千以上の島々で構成される太平洋島嶼国中最大の国家であり、人口は約520万人、1人あたりのGNI(国民総所得)は約580米ドルである。