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エクアドルの「チンボラソ州地下水開発計画(第1期)」に対する無償資金協力について

平成16年8月31日

  1. わが国政府は、エクアドル共和国政府に対し、「チンボラソ州地下水開発計画(第1期)(El Proyecto de Desarrollo de Aguas Subterraneas en la Provincia de Chimborazo)」の実施に資することを目的として、5億2,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月31日(現地時間30日)、キトにおいて、わが方平松弘行駐エクアドル国大使と先方パトリシオ・スキランダ・ドゥケ外務大臣(Patricio Zuquilanda Duque, Ministro de Relaciones Exteriores de la Republica de Ecuador)との間で行われた。

  2. チンボラソ州においては、2002年12月に「チンボラソ州開発計画」が策定され、州の持続的発展のための行動戦略として、農業の生産性向上、生活環境の保全、水資源の適正な運用、観光資源の開発等を柱とし、水道施設を含む環境衛生、上下水道事業分野の改善を通じて州住民の生活環境の向上に努めている。
     同州においては、生活用水の水源は主に湧水、渓流水、河川水が利用されている。しかし、近年の少雨化傾向の影響により、水源量が低下し、とりわけ山岳部に位置する地方村落においては、水の確保に多大の労力を費やしている。また、村落においては生計は農業で立てており、家畜の増加、無秩序な住宅建設等により、家畜の排泄物、家庭汚水を原因とする水源の汚染もすすんでいる。州は新規水源として安全で衛生的な地下水による地方村落を対象にした生活向上計画を策定したが、同州では地下水開発の実績はなく、井戸掘削機も保有しておらず、また、財政上の理由からも計画を独自に推進するのが困難な状況にある。
     このような状況において、同州は、生活向上計画の第1段階として、給水施設整備の優先度の高い村落を選定し、井戸掘削関連機材の調達、対象村落における井戸掘削及び給水施設の建設、またこれらの活動を通じて州側技術者に対する関連技術の移転する地下水開発事業のパイロットプロジェクトの実施に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. 本計画の実施により、衛生的な水環境の確保され、水因性疾病の減少や乳幼児の死亡率の低下するほか、掘削関連機材の供与と技術移転により同州が独自に地下水開発事業を継続することが可能となることが期待される。

    (参考)
     エクアドルは南米赤道直下であり、人口は1,311.2万人、農業が主要産業であり、バナナの生産では有名。また、産油国でもある。一人あたりのGDP(国内総生産)は1,450ドル(2002年、世銀)。
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