
エチオピアの「第三次幹線道路改修計画(詳細設計)」に対する無償資金協力について
平成16年8月25日
- わが国政府は、エチオピア連邦民主共和国政府に対し、「第三次幹線道路改修計画(詳細設計)」(the Project for Rehabilitation of Trunk Road, Phase III) の実施に資することを目的として、1億9,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月25日(水)、アディスアベバにおいて、わが方泉堅二郎駐エチオピア国大使と先方ムル・ケツェラ財務経済開発担当国務大臣(Dr. Mulu Ketsela, State Minister of Finance and Economic Development)との間で行われた。
- 内陸国であるエチオピアでは、国内流通の大部分を道路交通に依存しているにも拘わらず、道路整備状況が極めて低水準にある。そのため、道路セクター開発は、同国経済の活性化に向けた緊急の課題となっている。
また、今回対象となる北西幹線道路は、首都アディスアベバから放射状に伸びる5つの幹線道路の一つであり、エチオピア最大の農業地帯(穀物生産と家畜飼育)であるオロミヤ州とアムハラ州とを結んでいる。同幹線道路沿線地域では、全国農業生産量と家畜頭数はそれぞれ国全体の80%を占めており、農産物輸送力強化による食糧安全保障上の観点からも、同道路改修が緊急に必要となっている。
このような状況の下、エチオピア政府は、この北西幹線道路におけるゴハチオン=デジェン間(41km)の改修と、同区間で青ナイル川に架かる新アバイ橋(303m)の新設に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
なお、わが国は、エチオピアの北西幹線道路整備計画を支援するために、アディスアベバからの約182kmについて、第一次計画(平成10年度から13年度)および第二次計画(平成13年度から16年度)において、それぞれ約91kmづつ(アディスアベバ=カシム、カシム=ゴハチオン)分割して実施している。
- この計画の実施により、同国最大の穀倉・畜産地帯への信頼できるアクセスが確保されることとなり、農業開発が促進されるとともに、農産物流通が活性化される。また、輸送コスト低減(走行費用の低減、交通事故の減少等)により物流が円滑化され、エチオピア国内の主要農業生産の80%が生産されている対象地域の経済活動が活性化されることが期待される。
- なお、今回の協力は、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環で実施されるものである。
(参考)
エチオピアは、総人口が6,430万人で、一人当たり国民総所得が100ドル(2001年)の低所得国(世銀ランク)である。