
アフガニスタンの「カブール国際空港ターミナル建設計画(詳細設計)」に対する無償資金協力について
平成16年8月21日
- わが国政府は、アフガニスタン移行政権に対し、「カブール国際空港ターミナル建設計画(詳細設計)」の実施に資することを目的として、総額8,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月21日(土)、カブールにおいて、わが方駒野欽一駐アフガニスタン国大使と先方アブドラ・アブドラ外務大臣(Dr. Abdullah Abdullah, Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- アフガニスタンは、長年の紛争を経て、ボン合意に基づく和平プロセスおよび復興を推進しており、内陸国である同国において、航空分野の復興は外国との人・物の円滑な流れを確保し、復興支援を着実に実施するために不可欠である。特に同国唯一のカブール国際空港の施設は紛争で破壊され、ISAF(国際治安支援部隊)、世銀等による応急手当のみで運用されている状況にある。
既存の空港ターミナルは、わが国が平成15年度「カブール国際空港機材整備計画」を実施したのを始め、機材の整備が図られているが、旅客ターミナル・ビルは、現在、ピーク時の旅客を取り扱うには床面積が絶対的に不足し、必要な設備が欠けているとともに、国際線と国内線の旅客が混在し、対テロ対策として厳重な安全対策ができないという問題が発生している。
このような状況の下、アフガニスタン移行政権は、既存の空港ターミナルを国内線専用とし、その西側に国際線専用のターミナルを建設し、エプロン、電気・給排水設備、搭乗橋等を整備し、航空機牽引車、X線検査機、金属探知機等の機材を供与する「カブール国際空港ターミナル建設計画」を策定し、その計画の実施に必要な資金につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、搭乗手続きおよび出入国手続の時間が大幅に短縮され、人と物の往来が促進されると同時に、国際線、国内線それぞれに専用のターミナルが宛われることにより、対テロ対策としても出入国管理等の安全対策を講じることが可能となる。
- 今回の協力は、本年3月、アフガニスタンに関するベルリン国際会議において、わが国政府が支援を表明した人道・復興支援の一環として実施されるものである。