
エチオピアの「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成16年8月2日
- わが国政府は、エチオピア連邦民主共和国政府における「小児感染症予防計画」(the Project for Infectious Diseases Prevention for Children)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国際連合児童基金)に対し3億6,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月2日(月)、アジスアベバにおいて、わが方野呂元良駐エチオピア国臨時代理大使と先方ビョルン・リュングヴィスト在エチオピア・ユニセフ代表(Mr. Bjorn Ljunbgqvist, Country Representative of the UNICEF Office in Ethiopia)との間で行われた。
- エチオピアのポリオ・ワクチン全国一斉投与(NID)は1997年より実施され、わが国は1999年から支援を行っており、回数を重ねる毎に目標を超える実施率を達成し、2001年より100%近い接種率となっている。この結果、1996年には264件だったポリオ発生件数は2002年には皆無であった。この状況を維持するため、引き続き最低3年はNIDを実施することが必要とされている。
また、エチオピアでは新生児の破傷風の流行が深刻な問題であり、エチオピア政府はユニセフの指導のもと、ポリオ・ワクチンのNIDと同時に、妊産婦を含めた出産可能年齢期の女性に対する破傷風ワクチンの全国一斉投与の実施を予定している。
このような状況の下、エチオピア政府、ユニセフおよびわが国との間でエチオピアにおけるNID(ポリオおよび破傷風)への支援の可能性につき検討が行われ、その結果、エチオピア政府およびユニセフは、NID実施に必要な経口ポリオ・ワクチンおよび破傷風ワクチンの調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- 今回の協力により、2004年に予定されているNIDに必要な経口ポリオ・ワクチンが供給され、5歳未満児約1,460万人のうち約1,350万人に対するポリオ・ワクチン投与が可能となる。また、NIDに必要な破傷風ワクチンが供給され、約274万人の出産可能年齢期の女性に対する麻疹ワクチンの投与が可能となり、新生児への破傷風母子感染に対する予防につながる。
- なお、今回の協力は、2003年に東京で開催された第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環で実施されるものである。
(参考)
エチオピアは、総人口が6,430万人で、一人当たりGNI(国民総所得)が100ドル(2001年)の低所得国(世銀ランク)である。