
ベトナムの「第二次北部山岳地域初等教育施設整備計画(第2期)」に対する無償資金協力について
平成16年7月23日
- わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「第二次北部山岳地域初等教育施設整備計画(第2期)」(the Project for Improvement of Facilities of Primary Schools in Northern Mountain Region (Phase II))の実施に資することを目的として、3億4,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、7月23日(金)、ハノイにおいて、わが方服部則夫駐ベトナム国大使と先方グエン・ミン・ヒエン教育訓練大臣(H.E. Mr. Nguyen Minh HIEN, Minister of Education and Training)との間で行われた。
- ベトナム政府は、ドイモイ(刷新)政策の下、経済改革に取り組んでおり、このために必要な人材育成を最重要課題の一つとして掲げ、「教育開発戦略計画2001-2010年」により、初等教育の完全実施、質的向上に取り組んでいる。また、同計画を推進するための教育予算も年々増加する傾向にある。
しかしながら、ベトナムの初等教育施設は、依然としてその多くが簡易な仮設校舎や老朽化した木造校舎である等、適切な学習環境が確保されているとは言い難い状況にある。
併せて、教室不足が全日制の導入を阻む障害の一つとなっており、2部制での授業を余儀なくされている学校も多いため、全日制生徒と2部制生徒の間に教育内容の質的・量的な差が生じ、教育機会の不均衡が生じている。
このような状況の下、ベトナム政府は、ベトナムの中でも少数民族が多く生活し、かつ貧しい地域である北部山岳地域を対象とした「第二次北部山岳地域初等教育施設整備計画」を策定し、そのための初等教育施設整備に必要な資金につき、わが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、タイグェン省の14校において新たに106教室が建設され、教室数不足から2部制の授業実施を強いられていた対象校において、全日制の授業実施が可能となる。また、過密授業が緩和されることとなり、生徒の学習環境が改善する。
また、対象校においてトイレが整備され、衛生環境が改善することが期待される。
(参考)
ベトナム社会主義共和国は、東南アジアに位置し、国土面積は32万9,241平方キロ、総人口約8,020万人(2003年)、1人あたり国民総所得(GNI)が約480ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。