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ベトナムの「北部地下水開発計画(第3期)」に対する無償資金協力について

平成16年7月16日

  1. わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「北部地下水開発計画(第3期)」(the Project for the Groundwater Development in Rural Part of Northern Provinces)の実施に資することを目的として、5億200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、7月16日(金)、ハノイにおいて、わが方服部則夫駐ベトナム国大使と先方カオ・ドゥック・ファット農業農村開発大臣代行(Mr. Cao Duc PHAT, Acting Minister of Agriculture and Rural Development)との間で行われた。

  2. ベトナムの地方農村部では、生活用水として、川、湧水等の地表水、浅井戸の地下水を利用しているが、水源の汚染や水涸れから衛生的な飲料水を安定的に確保することが困難な状況にある。
     こうした中で、ベトナム政府は「地方開発計画」(1996年から2000年)を策定し、その中で給水事業を地方基盤整備の重点の一つとして位置付け、(1)2010年までに地方農村住民の85%が安全で清浄な水を少なくとも1人1日当たり60リットルを利用できること、(2)2020年には全ての地方農村住民が同量を利用できること、を中・長期目標と定めている。
     これら地方部の住民の生活環境を改善するため、ベトナム政府はわが国に対しベトナムの中でも貧しい北部地方を対象とした地下水開発に関するマスタープラン作成を要請し、1999年にわが国は開発調査により「北部地方地下水開発計画マスタープラン」の策定を支援した。
     この開発調査を受け、ベトナム政府はマスタープランで計画された北部の優先整備地域である3省(タイグエン省、ニンビン省およびタインホア省)の地方農村部の水不足の問題を解決するため、地下水を水源とする給水施設の整備および井戸掘削機材調達につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、ベトナムの北部3省の4村落において公共水道網が整備され、衛生的な飲料水を安定的に確保することが可能となり、同住民の生活レベルおよび衛生レベルが向上することが期待される。

    (参考)
     ベトナム社会主義共和国は、東南アジアに位置し、国土面積は32万9,241平方キロ、総人口約8,020万人(2003年)、1人あたり国民総所得(GNI)が約480ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。
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