
ブルキナファソの「国立森林種子センター・地方森林種子局支援計画」に対する無償資金協力について
平成16年6月10日
- わが国政府は、ブルキナファソに対し、「国立森林種子センター・地方森林種子局支援計画」(le projet de Rehabilitation et renforcement des capacites du Centre National de Semences Forestieres et de quatre Antennes Regionales de Semences Forestieres) の実施に資することを目的として、3億2,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月10日(木)、ワガドゥグにおいて、わが方黒川祐次駐ブルキナファソ国大使(コートジボワールにて兼轄)と先方ユスフ・ウエドラオゴ国務大臣兼外務・地域協力大臣グラン・オフィシエ章(Son Excellence Monsieur Youssouf OUEDRANGO, Ministre d' Etat, Ministre des Affaires Etrangeres et de la Cooperation Regionale du Burkina Faso, Grand Officier de l' Ordre National)との間で行われた。
- ブルキナファソは、降雨量が極めて少ない自然条件に加えて、過放牧、人口増加に伴う農地の拡大および樹木層の伐採等を原因とする砂漠化現象により国土の大半が植生劣化地域となっている。砂漠化は、樹木層の衰退のみならず、土地を被覆する草本層が太陽光の遮蔽という現象をもたらすことから、草本と樹木の密接な生態系が崩れたときに土壌の破壊が起こり、土地の荒廃へと繋がる。
このような状況を改善するため、ブルキナファソ政府は、砂漠化対処のための様々な対策、特に、各種植林プログラムに基づく植林政策を推進してきている。しかしながら、同国の財政難から、プロジェクトの実施機関である国立森林種子センターの主要施設である森林種子研究部門における機材の老朽化・故障により研究試験が十分に行われない状況にある。また、国立森林種子センターおよび地方森林種子局の試験苗畑用機材が未整備のため、苗木・種子生産活動が十分に行われない状況にある。
このような状況の下、ブルキナファソ政府は、これらの問題の解決を目的とする「国立森林種子センター・地方森林種子局支援計画」を策定し、同計画に必要な関連機材調達のための資金につき、わが国政府に無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、優良苗木・種子のための技術・研究が図られ、森林種子の利用者(農民、政府機関、NGO、研究機関、その他)に対して、生理的機能および耐病性の諸面において品質改良された種子の供給が可能となる。苗畑整備により苗木生産が向上することで、砂漠化防止を目的とする植林プロジェクトへの優良苗木供給が可能となる。これらを通じて同国の砂漠化防止、自然環境と社会経済の均衡化に貢献することが期待される。
- なお、今回の協力は、2003年に東京で開催された第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環として実施されるものである。
(参考)
ブルキナファソは、アフリカ西部の内陸に位置し、総人口が1,220万人、一人当たりGNI(国民総所得)が210ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。