
ボスニア・ヘルツェゴビナの「ドボイ橋及びモドリッチャ橋建設計画」に対する無償資金協力について
平成16年5月27日
- わが国政府は、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府に対し、「ドボイ橋及びモドリッチャ橋建設計画」(the Project for Construction of Doboj Bridge and Modrica Bridge)の実施に資することを目的として、総額10億2,300万円(平成16年度1億400万円、平成17年度4億1,100万円、平成18年度5億800万円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月27日(木)、サラエボにおいて、わが方小滝義昭駐ボスニア・ヘルツェゴビナ国臨時代理大使と先方ムラデン・イヴァニッチ外務大臣(H.E. Dr.Mladen Ivanic, Minister of Foreign Affairs of Bosnia and Herzegovina)との間で行われた。
- ボスニア・ヘルツェゴビナでは、1992年から1995年まで紛争が続いたことにより、多くの橋梁が破壊されるか、保守管理不足による激しい老朽化のため、輸送の大部分が陸路中心となっている同国においては、輸送面で大きく支障をきたしている。
このため、同国を構成するスルプスカ共和国、ボスニア連邦間および各民族居住地域間において各地域の往来に支障をきたしているほか、難民帰還および民族和解の促進を阻害する要因となっている。また、国際社会から求められている自立可能な経済を確立していく上でも、道路網の整備は緊急の課題である。
このような状況の下、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府は、スルプスカ共和国からの「第二次緊急運輸復興計画」およびボスニア連邦からの「道路建設優先計画1999-2000」に基づき、特に優先度の高いドボイ橋およびモドリッチャ橋の建設のため「ドボイ橋及びモドリッチャ橋建設計画」を策定し、この計画の実施に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これはわが国の重点分野であるインフラ整備分野にも合致するため実施するものである。
- この計画の実施により、陸上輸送が主体であるボスニア・ヘルツェゴビナの輸送網が改善され、今回の計画対象地域にある幹線道路およびその周辺住民約69万4,000人の人的・物的往来の活性化が図られることが期待される。
(参考)
ボスニア・ヘルツェゴビナは、中東欧に位置し、人口は約420万人、一人当たりGNI(国民総所得)は1,270ドルの低中所得国である。