
エジプト・アラブ共和国に対する円借款の供与について
平成15年10月27日
- わが国政府は、エジプト・アラブ共和国政府に対し、「ザファラーナ風力発電計画」の実施のため134億9,700万円を限度とする額の円借款を供与することとし、このための書簡の交換が10月27日(月)、カイロにおいて、わが方川口外務大臣と先方アブルナガ外務担当国務大臣(H. E. Ms. Fayza Aboulnaga, Minister of State for Foreign Affairs)との間で行われた。
- 対象案件の概要
エジプトでは、電力需要が急増し、電力供給量がピーク時の需要を満たせない状況にあるため、政府が新エネルギー・再生可能エネルギーによる電源開発を進める計画を策定し、ザファラーナ地区を中心に風力発電を計画・実施している。
この案件は、カイロ南東220kmに位置する紅海沿岸ザファラーナ地区に風力発電所を新設することにより、120MWの電力供給を可能にするもの。
この案件の実施により、エジプト国内の電力供給が安定するとともに、風力発電の活用により大気汚染が緩和され、地球温暖化の抑制に寄与することが期待される。
- 供与条件
(1)金利:年0.75%
(2)償還期間:40年(10年の据置期間を含む。)
(3)調達条件:一般アンタイド
(4)本件は、環境の保護に資する案件であるため、優遇金利制度「優先条件」が適用される。
- 今回の円借款の供与により、本年5月の小泉純一郎総理大臣のエジプト訪問時にモハメッド・ホスニ・ムバラク大統領に対して表明した、イラク問題による経済的影響等を受けたエジプトの経済回復のための2億ドルを超える資金協力がすべて実現することとなる。
- なお、今回の円借款の供与により、これまでにわが国がエジプトに供与した円借款の総額は、6,818億4,300万円となる。