
アルメニアの「食糧増産援助」に対する無償資金協力について
平成16年3月22日
- わが国政府は、アルメニア共和国政府に対し、「食糧増産援助」の実施に資することを目的として、2億円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月22日(月)、エレバン市において、わが方吉澤雅隆在ロシア大使館参事官と先方デヴィット ロキヤン・アルメニア共和国農業大臣(Mr. Davit Lokyan, Minister of Agriculture of Republic of Armenia)との間で行われた。
- アルメニアは旧ソ連解体後、ナゴルノ・カラバフ州の領土を巡るアゼルバイジャンの紛争等の影響を受けて経済は低迷している。同国の経済において農業は主要産業であり、GDP(国内総生産)における農業セクターが占める割合は約31%(2001年)となっているが、小麦、ジャガイモなどの主要食用作物の多くは輸入に依存している。
旧ソ連からの独立後、アルメニア政府は、国家開発計画として「食糧安全保障政策」、および農業開発政策として「安定的農業開発戦略」などを策定し、食糧増産を図っているが、農業機材の不足や老朽化が著しく目標達成は困難な状況にある。
このような状況の下、アルメニア政府は主要食用作物である小麦およびジャガイモの食糧増産を目的として、今回の食糧増産援助をわが国政府に要請してきたものである。
- この計画の実施により、アルメニアにおける早期の小麦およびジャガイモの自給達成に寄与することが期待される。
(参考)
アルメニアはコーカサス地域に位置し、アゼルバイジャン、グルジア、トルコおよびイランと国境を接している。また、国民一人あたりGNI(国民総所得)は790ドル(2002年)である。