
ニカラグアの「予防接種拡大計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成16年3月18日
- わが国政府は、ニカラグア共和国における「予防接種拡大計画」(Project for the Expansion of Immunization Program in the Republic of Nicaragua)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し、6億500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月18日(木)、マナグアにおいて、わが方加賀美充洋ニカラグア共和国大使と先方グレイ・スタール在ニカラグア共和国・国連児童基金(UNICEF)代表(Mr. Gray Stahl, Representative of the United Nations Children's Fund in the Republic of Nicaragua)との間で行われた。
- ニカラグアでは、1992年から2002年の間に、約1万3,000人もの風疹の罹患者が確認されている。最も罹患率が高いのは1歳未満(10万人中90人)であり、生産年齢となる15歳から49歳の間においても10万人中17.4人、また流行時には平均10万人中80人となる。風疹はとくに妊婦に危険であり、胎児に影響を及ぼす可能性がある。
このような中、ニカラグア政府は、2004年以降6歳から39歳を対象に、122の市町村において約326万人への二種混合(麻疹、風疹)ワクチンを接種する計画である。また、1999年より破傷風、ジフテリア、百日咳、B型肝炎、バクテリアによる髄膜炎・肺炎に対する5種混合のワクチン接種を実施してきているが、2004年以降は5歳未満の約13万人を対象とした5種混合ワクチンの接種が必要とされている。
このような状況の下、ニカラグア政府は、風疹、破傷風等の予防接種を実施するため「予防接種拡大計画」を策定し、この計画のために必要となる二種混合ワクチン、5歳未満を対象とした5種混合ワクチンとコールドチェーン(保冷用冷蔵庫、コールドボックス等)の調達およびその活動のモニタリング等の費用に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力による支援を要請してきたものである。
- この計画の実施により、ニカラグアにおけるワクチンの接種率が大幅に向上するとともに、感染症発症数が減少し、死亡率が低下することが期待される。
(参考)
ニカラグアは中米5カ国の一つであり、人口は507万人、農牧業を主要産業としている。一人あたりの国民所得は420ドル(2000年、世銀)。