
ニカラグアに対する無償資金協力(ノンプロジェクト無償資金協力)について
平成16年3月18日
- わが国政府は、ニカラグア共和国政府に対し、5億円の無償資金協力(ノンプロジェクト無償資金協力)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月18日(木)、マナグアにおいて、わが方加賀美充洋在ニカラグア大使と先方セルヒオ・マリオ・ブランドン・ランサス外務大臣代理(Lic. Sergio Mario Blandon Lanzas, Minister by the law of Foreign Affairs of the Republic of Nicaragua)との間で行われた。
- ニカラグアにおける1980年代の経済活動は、1979年に勃発した内戦の影響や国家統制経済の運営により低迷し、同時にハイパーインフレーションにも見舞われ、対外債務も大幅に増大した。1990年4月に発足したビオレッタ・チャモロ政権は、内戦で破壊された経済の再建のため、経済安定化、構造調整政策(財政・金融政策の改善、価格統制の原則撤廃、為替レートや貿易制度の自由化等)、累積債務削減に重点を置く政策を講じた結果、経済成長率は、1992年にプラスに転じ、1997年には5.5%を記録した。また、インフレ率は1990年に13,490%を記録したが、これらの経済政策の実施により、1997年には7.3%にまで減少した。1994年6月に開始されたIMF(国際通貨基金)の拡大構造調整融資(ESAF)は、各種コンディショナリティー不履行のために融資が中断されていたが、税制改革や国立銀行の民営化を断行し、1998年3月にIMFはESAFの再開を承認した。
このような経済的な回復基調の中、1998年10月のハリケーン・ミッチは甚大な被害をもたらしたが、国際的支援のもと復興は進んだ。一方、同国は重債務貧困国(HIPCs)に認定されており、2000年12月、拡大HIPICイニシアティブ(債務救済措置)のデシジョン・ポイント(決定時点)に到達したことが承認された。その後も公的部門改革、国営企業の民営化、金融システム改革、社会保障改革を継続し、2004年1月には最終的な適用(コンプリーション・ポイント:完了時点)到達が承認された。
- 今回のノンプロジェクト無償資金協力は、ニカラグアの構造調整計画の実施を支援するもので、ニカラグア政府が経済構造改善の推進に必要な商品を輸入する代金の支払いのために使用される。
(参考)
ニカラグアは中米5カ国の一つであり、人口は507万人、農牧業を主要産業としている。一人あたりの国民所得は420ドル(2000年、世銀)。