平成16年3月17日
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わが国政府は,パレスチナ自治政府に対し,5億円の無償資金協力(ノンプロジェクト無償資金協力)を行うこととし,このための書簡の交換が,3月17日(水曜日),パレスチナ自治区西岸のラマッラにおいて,わが方今井正在イスラエル大使と先方サラーム・ファイヤード・パレスチナ財務庁長官(Dr. Salam Fayyad, Minister of Finance)との間で行われた。
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パレスチナ自治区では,2000年9月のイスラエル軍との衝突発生以来,イスラエル軍が同自治区を封鎖して人や物資の移動を制限していたこと等により経済状況が悪化しており,厳しい外貨不足をもたらしている。
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今回のノンプロジェクト無償資金協力は,このような経済状況の中でIMF(国際通貨基金)の協力を得つつ粘り強く経済構造調整を進め,その実施状況について高い評価を得ているパレスチナ自治政府を支援するものであり,同自治区における経済構造調整努力の一層の推進に必要な商品を購入する代金の支払いのために使用される。
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今回の無償資金協力により,パレスチナ自治政府の厳しい財政事情が改善されることが期待される。
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なお,2月に来日したナビール・シャース外務長官,サラーム・ファイヤード財務長官によりパレスチナ自治政府に対する支援要請があった。
(参考)
パレスチナ自治区は,地中官の東岸に位置し,イスラエルとヨルダンに挟まれた西岸地区およびイスラエルとエジプトに挟まれたガザ地区とから成る。中東戦争の結果1967年以降イスラエルにより占領されていたが,1993年のオスロ合意によりパレスチナ人による暫定自治が認められている。両地区を合わせた人口は約330万人であり,1人当たりの国内総生産は1,166ドル(2002年,世銀)と推定されている。