
ミャンマーの「第五次母子保健サービス改善計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成16年3月1日
- わが国政府は、ミャンマー連邦における「第五次母子保健サービス改善計画(the Project for Improvement of Maternal and Child Health Care Services (Phase V)」の実施に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し、総額6億6,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡交換が、3月1日(月)、ヤンゴンにおいて、わが方宮本雄二在ミャンマー大使と先方キャロル・ロング・ユニセフ・ミャンマー代表(Ms. Carroll C. Long、Representative、United Nations Children's Fund (UNICEF)、The Union of Myanmar)との間で行われた。
- ミャンマーでは、公的保健機関の多くで十分な医療資機材やスタッフが不足しており、保健医療サービスは限定的なものに留まっている。また、保健医療サービスにアクセス可能な人口は全国民の65%に過ぎず、特に農山村地域では地理的な孤立、通信手段の欠如、資金不足等が原因で医療保健サービスは劣悪な状況にあり、山村に住む妊産婦の約2割は全くケアが受けられない状況にある。このため、ミャンマーでは毎年約117万人の新生児が誕生しているが、そのうち、約8万人以上が1歳未満で死亡し、さらに、約12万人が5歳未満で死亡しており、そのうち7割以上の死因は急性疾患、下痢症、マラリア、栄養失調、はしかの5つである。
このような状況の下、ユニセフは「第五次母子保健サービス改善計画」を策定し、この計画の実施に必要なワクチン(破傷風、麻疹)およびワクチン接種のための各種機材、抗マラリア剤、HIV/AIDS対策関連機材の購入のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
なお、わが国は、98年、99年、2000年、2002年に同様の支援をユニセフを通じて実施し、このような劣悪な保健医療状況の改善に貢献してきているが、特にワクチンに関しては予防効果の発現のため、継続した接種が必要となっている。また、この計画に必要な資金は全額ユニセフに供与され、同機関が機材調達、配布、モニタリング等全ての活動を実施する。
- この計画がユニセフにより実施されることにより、ミャンマーにおける保健医療サービスの質が向上し、新生児、乳幼児および妊産婦の死亡率の低減や、貧困層に対する保健医療サービスの普及が期待される。