
カーボベルデの「サンティアゴ島地下水開発・給水計画(詳細設計)」に対する無償資金協力について
平成16年2月3日
- わが国政府は、カーボベルデ共和国政府に対し、「サンティアゴ島地下水開発・給水計画(詳細設計)」の実施に資することを目的として、総額4,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、2月3日(火)、カーボベルデ共和国のプライアにおいて、わが方中島明在カーボベルデ大使(セネガルにて兼轄)と先方マリア・デ・ファティマ・リマ・ヴェイガ外務・協力・共同体大臣( Madame Maria de Fatima Lima VEIGA, MINISTRE DES AFFAIRES ETRANGERES, DE LA COOPERATION ET DES COMMUNAUTES )との間で行われた。
- カーボヴェルデは、乾燥気候により年間降水量が270ミリと少ないため、飲料水の確保が最重要課題となっている。このため、1993年にUNDP(国連開発計画)の協力の下に策定された「水資源開発マスタープラン」では2005年までに全ての国民に1日20リットルの安全な水を安定的に供給することを目標に掲げていた。このような中、カーボベルデ政府は、地下水開発、地表水貯留および海水淡水化を3つの柱として水資源開発を進めており、特に、地下水開発計画については、わが国が1998年から1999年に実施した開発調査「サンティアゴ島地下水開発計画」による地下水賦存量調査と給水計画マスタープランの結果を基に他のドナー(援助国)の協力を得て給水計画を実施している。しかしながら、慢性的な財政危機およびコレラの発生のため、「第5次国家開発計画」では、「安定した飲料水の給水」を2010年度までに先送りしている。
このような状況の下、カーボベルデ政府は、首都プライアのある最大のサンティアゴ島6郡23村落を対象として地下水を利用した簡易な小規模給水施設の建設および維持管理用資機材などの供与を目的とする「サンティアゴ島地下水開発・給水計画(詳細設計)」を策定し、この計画の実施に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これはカーボベルデに対する援助重点分野(水供給)に合致するため実施することにしたものである。
- この計画の実施により、サンティアゴ島の23村落において簡易な小規模給水施設が建設され、同島の給水率が向上するとともに、水因性疾病の発生の防止および女性や子供による険しい山岳地帯での過酷な水汲み労働からの解放が期待される。
- なお、今回の協力は、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環として実施されるものである。
(参考)カーボベルデは、総人口が43.5万人(2000年)、面積が滋賀県程度の小国で一人当たり国民総所得が1,340ドル(2001年)の中所得国であるが、大西洋上に浮かぶ火山性の15の小島で構成された気候や地形に恵まれない国である。