ウズベキスタン共和国の「中等教育機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成16年1月23日
- わが国政府は、ウズベキスタン政府に対し、「中等教育機材整備計画」(the project for Improvement of Training Teachers in the Secondary Specialized and Vocational Education)の実施に資することを目的として、7億700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月23日(金)、タシケントにおいて、わが方河東哲夫在ウズベキスタン大使とガニエフ・エリヤル・マジドヴィチ副首相(Ganiev El'yar Madzjidovich, Deputy Prime Minister)との間で行われた。
- ウズベキスタンは、1991年の独立以降、市場経済への移行に取り組んでおり、またロシア人が国外に移り、一時的に頭脳流出が進んだこともあり、人材育成が急務となっているほか、若年層の雇用機会拡大のための対策としても、人材育成を一層進める必要がある。このため、1997年10月に「国家人材育成プログラム」を策定し、義務教育制度の9年制から12年制への移行、職業高校の拡充など、教育改革に取り組んでおり、職業高校の施設の整備や学校経営の見直し、カリキュラム作成、教師の再訓練、教科書の作成などに国を挙げて取り組み、新しいシステムによる技術・教育および学術研究の水準の向上を目指している。しかしながら、新しい技術教育および学術研究の普及のためには、教員に対する再教育が必要であるとの認識はあるものの、これら教育・研究用の機材は、依然として旧式であり、不十分な訓練しか行うことができない状況にある。
このような状況の下、ウズベキスタン政府は、中等専門教育の教員の再教育のために「中等教育機材整備計画」を策定し、教員に対する教育用機材の更新のために必要な資金につき、わが国政府に対して、無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、職業高校および中等専門教育開発研究所において専門科目教育の再訓練、再教育を受けた教員が新しい技術の職業教育を行うことで、職業高校の学生約54万人に役立つことが期待される。
(参考)
ウズベキスタン共和国は、中央アジア地域で最大の人口(約2,500万人)を有し、同地域の交通・運輸・通信網の中心であり、サマルカンド、ヒヴァ、ブハラ等の著名な観光都市を有している。わが国は、中央アジアの要衝国であるウズベキスタンに対し、1991年の同国独立以降、安定的な国造りへの支援を含む積極的な外交活動を行ってきている。なお、ウズベキスタンの一人当たりGNI(国民総所得)は460ドルである。