
ウズベキスタンの「人材育成奨学計画」に対する無償資金協力について
平成15年12月22日
- わが国政府は、ウズベキスタン共和国政府に対し、「人材育成奨学計画」(the Project for Human Resource Development Scholarship)の実施に資することを目的として、1億3,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月22日(月)、東京(外務省)において、わが方川口順子外務大臣と先方サディック・サファーエフ外務大臣(Sodiq Safaev, Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- ウズベキスタンでは現在、旧ソ連の全体主義的体制からの脱却に重点を置いて、教育制度の根本的な改革、市場経済化に対応できる高度な人材育成を行うことが可能な国家教育制度の確立を最重要項目として掲げた「国家人材育成構想」を策定し、積極的に人材育成に取組んでいる。
この計画の一環として、ウズベキスタン政府は、独自の留学制度により学生および教員の育成に努めているが、依然として、開発ニーズ(需要)に合致した教育が整備されておらず、近年の市場経済化、近代化等への対応が十分に行えない状況にある。
このような状況の下、ウズベキスタン政府は、人材育成における留学制度の果たす重要な役割に鑑み、「人材育成奨学計画」を策定し、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。また、これはわが国のウズベキスタンに対する重点支援分野である、市場経済化への移行支援に合致するため実施するものである。
なお、この計画は、ウズベキスタンの将来を担う若手行政官等約40名を対象に、日本の大学院における学位取得等を前提とした留学に対して経費を支援するものである。
- この計画の実施により育成される人材が、将来、各分野のリーダーとして、ウズベキスタンの抱える諸問題の解決に貢献するとともに、今後の日・ウズベキスタン両国間の友好関係の架け橋となることが期待される。
(参考)ウズベキスタン共和国は、中央アジア地域で最大の人口(約2,500万人)を有し、同地域の交通・運輸・通信網の中心であり、サマルカンド、ヒヴァ、ブハラ等の著名な観光都市を有している。わが国は、中央アジアの要衝国であるウズベキスタンに対し、1991年の同国独立以降、安定的な国造りへの支援を含む積極的な外交活動を行ってきており、その結果、政治、経済、文化等さまざまな分野において両国間の人的交流が拡大している。なお、ウズベキスタンは一人当たりGNI(国民総所得)は460ドルである。