
マラウイ共和国の「マラリア対策計画」に対する無償資金協力について
平成15年12月16日
- わが国政府は、マラウイ共和国政府に対し「マラリア対策計画」(the Project for Malaria Control)の実施に資するため、2億7,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が12月16日(火)、ブランタイヤにおいて、わが方石弘之在マラウイ大使と先方フライディ・A・ジュンベ財務大臣(Friday A. Jumbe, Minister of Finance of the Repubic of Malawi)との間で行われた。
- マラウイの保健指標はアフリカ諸国の中でも劣悪であり、1999年の指標では、乳児死亡率は13.2%、5歳未満児死亡率は21.1%となっている。死亡原因や罹患疾病の多くはマラリア、下痢症疾患、結核、栄養不良であり、中でもマラリアは同国における主要疾患の第1位となっており、外来患者の33%、入院している5歳未満児の40%がマラリア患者であり、その30%が死に至っている。
こうした状況を改善するため、マラウイ政府は保健セクターの長期政策「2020年に向けての保健セクター・ビジョン」ならびに、短期目標「マラウイ国家保健計画(1999年から2004年)」を策定し、優先課題として、「小児の罹患・死亡率の低減、妊産婦の罹患・死亡率の低減、HIV陽性率とHIV/エイズに関連する死亡率の低減、マラリアを含む各種感染症のによる罹患・死亡率の低減」を掲げている。特に、マラリアに関しては、「マラリア撃退戦略5カ年計画」を策定し、対策に取り組んでいる。
このような状況の下、マラウイ政府は、「マラリア対策計画」を策定し、マラリア感染リスクの高い5歳未満児と妊産婦を主なターゲットにした蚊帳の配布に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これはわが国のマラウイに対する援助重点分野(保健医療分野)にも合致するため実施するものである。
- この計画の実施により、20万世帯、約100万人の住民が蚊帳を使用することになり、マラリア感染予防を通じて、マラリア罹患率、死亡率の低下が期待される。
(参考)
- マラウイはアフリカ南部に位置し、総人口が1,130万人(2000年)で、一人当たり国民総所得が170ドル(2001年)でアフリカの中でも最貧国の一つである。
- 主要産業は、農業であり、GDP(国民総生産)の約40%を占め、労働人口の85%が農業および農業関連事業に従事している。なお、タバコ、紅茶、砂糖等の農産物が全輸出の85%を占めている。