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エジプトの「シャルキーヤ県北西部上水道整備計画(詳細設計)」に対する無償資金協力について

平成15年12月7日

  1. わが国政府は、エジプトにおける、「シャルキーヤ県北西部上水道整備計画(詳細設計)」(the project for Water Supply Development in Northwestern Part of Sharqiya Governorate)に資することを目的として、4,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月7日(日)、カイロにおいて、わが方浦部和好在エジプト大使と先方ファイザ・アブルナガ外務担当国務大臣(H. E. Mrs. Fayza ABOULNAGA, Minister of State for Foreign Affairs)との間で行われた。

  2. エジプトでは現在、都市人口が急増しているため、上下水道をはじめとする都市住環境の保全・改善に関する事業の展開が急務とされており、現在実施中の第5次国家経済社会開発5カ年計画(2002年から2006年)においても、その重点目標として社会サービスへの政府予算増加による生活水準の向上を掲げ上下水道の整備を進めている。
     特に、ナイル川デルタ地帯に位置するシャルキーヤ県北西部は、現在本格的な浄水場がなく、コンパクト・ユニットと称する小規模簡易浄水施設と井戸から給水が行われているが、コンパクト・ユニットは耐用年数が短く、井戸は地下水の塩水化が進行しているため、住民は、人口が急増する中、量的に不十分でしかも飲用に適さない水の使用を強いられており、現在、同地域における早期の上水道整備をめざしているが、厳しい財政事情の下で実施の目途がたっていない。
     このような状況の下、エジプト政府は、シャルキーヤ県北西部に新しい浄水場を建設するため「シャルキーヤ県北西部上水道整備計画」を策定し、この計画の実施に必要な資金につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これは、エジプトに対するわが国の援助重点分野、生活環境の向上に合致するため実施するものである。

  3. この計画の実施により、エジプトのシャルキーヤ県北西部の住民約22万人が、安全かつ安定した量の給水を受けられるようになり、住民一人当たりの給水量が、現在の1日101リットルから157リットルに増加し、エジプトの経済社会開発にも貢献することが期待される。

    (参考)ピラミッドに象徴される古代文明の発祥の地であるエジプトは、地中海東岸の北アフリカと中東にまたがって位置する人口約6,900万人の国である。国土の大半が砂漠であるが、ナイル川沿いおよびナイル川デルタ地帯においては工業、農業が行われている。中東和平の推進やアフリカ開発問題等において積極的な役割を果たし、中東・アフリカを中心とした国際政治における重要な地位を占めている。
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