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シリアの「ゴラン病院医療機材整備計画」に対する無償資金協力について

平成15年12月3日

  1. わが国政府は、シリア・アラブ共和国政府に対し、「ゴラン病院医療機材整備計画(the project for Supplying Medical Equipment to Golan Hospital)」の実施に資することを目的として、4億5,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月3日(水)、ダマスカスにおいて、わが方林梓在シリア大使と先方バッサーム・アルシバイ企画庁長官(Mr. Mhd. Bassam ALSIBAI, Head of the State Planning Commission)との間で行われた。

  2. シリア政府は、「第9次国家社会開発5ヵ年計画(2001年から2005年)」を策定し、その中で、保健医療を含む基本的な社会基盤を充実させ、地域間格差を是正していくことを目標としており、保健医療分野においては、各地方の中核病院となる120床規模の病院の整備を進めている。
     また、シリア政府は、第3次中東戦争の結果イスラエルに占領された経緯もあり、同国内において最も開発の遅れた地域であるクネイトラ県の開発を積極的に進めている。
     このような中、同計画により2002年4月にクネイトラ県の中核病院として、ゴラン病院が完成したが、同国政府の財政難のため、同病院は十分な機材が整備されておらず、国民が期待する医療サービスを十分に満たすことができない状況にある。
     このような状況の下、シリア政府は、「ゴラン病院医療機材整備計画」を策定し、その計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これはシリアに対するわが国の重点分野(保健医療)に合致するため実施することとしたものである。

  3. この計画の実施により、クネイトラ県の住民約11万2,000人が、同地において十分な保健医療サービスを受けられるようになり、それを通じ、シリアの保健医療水準の向上および地域間格差が是正されていくことが期待される。

    (参考)シリアは、地中海東部に位置し、トルコ、イラク、イスラエル、ヨルダン、レバノンと国境を接している。人口は約1,700万人で国民の約90パーセントがアラブ系である。主要産業は農業であり、一人当たり国民所得は約1,024ドルの開発途上国であるが、現在、社会主義経済制度の改革を通じ、経済開発を進めている。
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