
チリの国立保存修復センターに対する文化無償協力について
平成15年12月1日
- わが国政府は、チリ共和国政府に対し、国立保存修復センターが科学分析・写真機材を購入するため(the supply of scientific analysis and photographic equipment to the National Center of Conservation and Restoration)、4,880万円を限度とする額の文化無償協力を行うこととし、このための書簡の交換が12月1日、サンティアゴにおいて、わが方小川元在チリ共和国大使と先方マリア・ソレダ・アルベアル・バレンスエラ外務大臣(Maria Soledad ALVEAR Valenzuela, Minister for Foreign Relations)との間で行われた。
- 国立保存修復センターは、チリの文化財保存を促進するため、1982年に教育省の下部機関として設立され、同国の考古学的遺物、歴史的建造物等の保存修復、調査研究および専門家養成を行い、同国の文化遺産・文化財の保存活動に重要な役割を担っている。特に近年には、文化財保存に対するチリ国民の意識が高まり、昨年、チリ政府により「文化財の日」が指定されたことを受け、同センターの活動は更に重要性を増している。また、同センターでは、未知の部分が多いイースター島のモアイ像をはじめとする文化遺産や文化財に対する調査研究を進め、わが国は、昨年より、ユネスコ文化遺産保存日本信託基金によるモアイ像劣化原因調査団派遣を実施する等の協力を行っている。こうした中、同センターでは、遺跡調査および保存修復の水準向上を目指し、必要な機材の充実化を図っているが、厳しい財政事情の下、高度な性能を必要とする調査機材等の購入が困難な状況にある。
このような状況の下、チリ政府は、国立保存修復センターが科学分析・写真機材を購入するために必要な資金につき、わが国政府に対して文化無償協力を要請してきたものである。