
ベトナムの「第二次北部山岳地域初等教育施設整備計画(1/3期)」に対する無償資金協力について
平成15年11月25日
- わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「第二次北部山岳地域初等教育施設整備計画(1/3期)」(the project for Improvement of Facilities of Primary Schools in Northern Mountain Region(Phase II))の実施に資することを目的として、総額4億9,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、11月25日(火)、ハノイにおいて、わが方服部則夫在ベトナム大使と先方グエン・ミン・ヒエン教育訓練大臣(Mr. Nguyen Minh HIEN, Minister of Education and Training)との間で行われた。
- ベトナム政府は、ドイモイ(刷新)政策の下、経済改革に取り組んでおり、このために必要な人材育成を最重要課題の一つとして掲げ、「教育開発戦略計画(2001年から2010年)」により、初等教育の完全実施、質的向上に取り組んでいる。また、同計画を推進するための教育予算も年々増加する傾向にある。
しかしながら、ベトナムの初等教育施設は、依然としてその多くが簡易な仮設校舎や老朽化した木造校舎である等、適切な学習環境が確保されていない状況にあり、また、教室不足が1部制(全日制)の導入を阻む障害の一つとなって、2部制での授業を余儀なくされている学校も多いことから、全日制生徒と2部制生徒の間に教育内容の質的・量的な差が生じ、教育機会の不均衡が生じている。
このような状況の下、ベトナム政府は、ベトナムの中でも少数民族が多く生活し、かつ貧しい地域である北部山岳地域を対象とした「第二次北部山岳地域初等教育施設整備計画」を策定し、そのための初等教育施設整備に必要な資金につき、我が国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものであり、これはベトナムに対する我が国の援助重点分野(教育)に合致するため実施することとしたものである。
この計画の実施により、バクザン省の16校において新たに158教室が建設され、教室数不足から2部制の授業実施を強いられていた対象校において、全日制の授業実施が可能となるため、過密授業が緩和され生徒の学習環境が改善する。
また、対象校においてトイレが整備され、衛生環境が改善することが期待される。
(参考)ベトナム社会主義共和国は、東南アジアに位置し、人口7,971万人、国民1人あたりのGNP(国民総生産)は約410ドルである。