平成15年11月13日
- わが国政府は、東ティモール民主共和国政府に対し、「ディリ配電網改修計画」および「小中学校再建計画(詳細設計)」の実施に資することを目的として、総額2億6,600万円を限度とする額の無償資金協力をそれぞれ行うこととし、このための書簡の交換が、11月13日(木)、ディリにおいて、わが方旭英昭在東ティモール臨時代理大使と先方ホセ・ラモス=ホルタ外務協力上級大臣(H.E.Dr.Jose Ramos-Horta, Senior Minister for Foreign Affairs and Cooperation)との間で行われた。
(1)「ディリ配電網改修計画」(Project for Rehabilitation of Power Distribution Network in Dili) 2億2,600万円
(2)「小中学校再建計画(詳細設計)」(Project for Reconstruction of Primary Schools and Junior High Schools) 4,000万円
(1)「ディリ配電網改修計画」
東ティモールでは1999年の騒乱により首都、地方部の至る所で破壊活動が繰り広げられインフラの7割が破壊された。その後、東ティモールは国連による暫定統治を経て2002年5月に独立を果たし、国家開発計画に従い国家運営を実施しているが、長年他国の統治を受けたための人材の不足と、財政の厳しさから、他国からの支援に拠らざるを得ない状況である。
特に、ディリの電力に関しては、わが国が2000年度の緊急無償によりコモロ発電所のリハビリを実施し、また、ノルウェーもピーク運転用発電機の供与を行ったが、復興による電力需要を満たしておらず、計画停電により対処している。加えて、配電設備にも過負荷・老朽化等の問題があり、電力の安定供給のみならず安全性にも問題を含んでいる。
このような状況の下、東ティモール政府は「ディリ配電網改修計画」を策定し、ディリの老朽化した配電網を整備するための機材整備のために必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、安定した電力の配電(停電時間の減少)、電力損失の低減、東ティモール側の配電網の点検・管理技術の向上、これらを通じたディリの社会・経済成長の促進が期待される。
(2)「小中学校再建計画(詳細設計)」
東ティモールでは1999年の騒乱により首都、地方部の至る所で破壊活動が繰り広げられインフラの7割が破壊された。その後、東ティモールは国連による暫定統治を経て2002年5月に独立を果たし、国家開発計画に従い国家運営を実施しているが、長年他国の統治を受けたための人材の不足と、財政の厳しさから、他国からの支援に拠らざるを得ない状況である。
特に、教育に関しては、国家開発計画の中で、東ティモールの最重点分野の1つと位置付けられているものの、財政不足等により、十分な整備が進んでいない。
このような状況の下、東ティモール政府は、同国内におけるモデル校として整備予定の小中一貫校を含む小学校の整備を目的とした「小中学校再建計画」を策定し、その詳細設計に必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、学習・衛生環境の向上、東ティモール側の施設維持管理・修繕技術の習得、地域社会活動等の促進が期待される。
- なお、今回の無償資金協力は、2002年5月の東ティモール支援国会合においてわが国が表明した今後3年間で6,000万ドルを上限とする対東ティモール支援の一環として実施されるものである。
(参考)東ティモール(面積:約1万4,000平方キロ(長野県程度)、人口:約79万人(2001年)、人口1人当たりのGNI(国民総所得):約450米ドル(2001年))