(1)「インドネシア国営テレビ(TVRI)マカッサル局放送設備整備計画」
インドネシア人口2億人を超える多民族国家であり、多数の島々からなる国土を持つ国であるため、テレビおよびラジオによる「放送」が同国における最も効果的な情報提供手段となっている。インドネシア国営テレビ(TVRI)は1962年に設立された国営テレビであり、国民の人口比で約8割の放送エリアをカバーしている。
しかしながら、スラウェシ島の中心都市に存するマカッサル放送局では使用している放送機材老朽化のため同地域の朝番組の制作が中断するなど、地域住民に対して効果的な情報提供を行うことが出来ない状態にあり、機材の更新を希望しているが、予算上の制約により実施することが出来ない状況にある。
このような状況の下、インドネシア政府は、「インドネシア国営テレビ(TVRI)マカッサル局放送設備整備計画」を策定し、TVRIマカッサル局の老朽化したアナログ放送機器のデジタル放送機器への更新に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これはインドネシアに対する我が国の援助重点分野である公平性の確保、産業基盤整備に合致するため実施することとしたものである。
この計画の実施により、マカッサル放送局において中断していた朝番組の再開が可能となるとともに、質の高いニュース番組を数多く提供することが可能となり、その結果、地域の社会的安定、教育振興、文化交流の活性化が図られることが期待される。
(2)「セクタープログラム無償資金協力」
インドネシアは持続的な経済成長を維持することを目的としてIMF(国際通貨基金)の経済構造調整計画プログラムの下、銀行セクターの改革、国営企業の民営化等の経済構造改善努力を続けてきた。
今回のセクタープログラム無償資金協力は、インドネシアの経済の安定が東アジア経済の安定にとって極めて重要との認識から、同国の経済構造改善努力の中でガバナンス強化に焦点をあてて支援を実施するものである。
なお、今回の支援では、インドネシア政府がその推進に必要な物品を購入する代金の支払いのために使用されるが、特に12億5,000万円については、2004年に実施が予定されている総選挙および正副大統領選挙に必要な物品の購入にあてられる。また、現地通貨ルピアで積み立てられる見返り資金は、投資環境整備、地方分権といったガバナンス(統治)の改善のために使用される。
(参考) |
インドネシア(面積:約190万5,000平方キロ(日本の約5倍)、人口:約2億1,000万(2000年インドネシア統計局)、人口1人当たりのGNI(国民総所得):680米ドル(2001年世銀)) |