
南アフリカのロベン島公文書館に対する文化無償協力について
平成15年9月2日
- わが国政府は、南アフリカ共和国政府に対し、ロベン島公文書館が視聴覚機材を購入するため(the supply of audio-visual equipment to Robben Island Museum UWC Mayibuye Archives)、1,630万円を限度とする額の文化無償協力を行うこととし、このための書簡の交換が、9月2日(火)、ケープタウンにおいて、わが方榎泰邦在南アフリカ共和国大使と先方ブイェルワ・ソニカ芸術文化科学技術副大臣(Ms. Buyelwa Sonjica, Deputy Minister of Arts and Culture, Science and Technology)の間で行われた。
- ロベン島公文書館は、アパルトヘイト時代に有色人種の政治犯を収容する刑務所があったロベン島をその名称に付しており(ネルソン・マンデラ元大統領も同刑務所に18年間収容されていた)、南アフリカにおけるアパルトヘイト、民主化闘争に関するあらゆる記録の収集・保存・修復、および一般公開を行う国家機関として、1990年に西ケープ大学主導で同大学構内に設立され、人種差別撤廃という人類共通の理念を推進することで国際社会において重要な役割を果たしている。
しかしながら、近年、同公文書館が所蔵する資料の活用依頼がわが国を含む国内外より増大しており、十分な公開・啓蒙活動を行うために必要な機材の整備が急務になっているが、同国の厳しい財政状況のため、購入は困難な状況にある。
このような状況の下、南アフリカ政府は、ロベン島公文書館が視聴覚機材(ビデオ複製・撮影機材等)を購入するために必要な資金につき、わが国政府に対して文化無償協力を要請してきたものである。