
パプアニューギニアの「国立ラジオ放送局機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成15年8月27日
- わが国政府は、パプアニューギニア政府に対し、「国立ラジオ放送局機材整備計画(the project for Improvement of Equipment of the National Broadcasting Corporation)」の実施に資することを目的として、8億2,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月27日(水)、ポートモレスビーにおいて、わが方山下勝男大使と先方ラビー・ナマリュー外務・入国管理大臣(The Right Honourable Sir Rabbie Namaliu, Minister for Foreign Affairs and Immigration)との間で行われた。
- パプアニューギニアの国営ラジオ放送局はテレビが普及していない同国において、全国向けサービスの他、地方放送局より各地域向けの放送を行っている情報伝達の手段として重要な役割を負っており、報道、緊急通報のほか、教育の普及、保健衛生等の生活向上、部族間の相互理解等に貢献しており、また、都市から隔絶した小規模な小学校においては教員が不足しているため、ラジオを通じた放送教育が授業カリキュラムの柱となっている。
しかしながら、地方放送局の送信施設は老朽化のため、十分な送信出力が確保されておらず、また頻繁に起こる故障のため、数ヵ月にわたり放送が停止する事態が生じている。
このような状況の下、パプアニューギニア政府は「国立ラジオ放送局機材整備計画」を策定し、老朽化が進んでいる送信機材の更新に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これはパプアニューギニアに対するわが国の援助重点分野(経済・社会インフラの整備および遠隔教育を通ずる人材育成)にも合致するため実施することとしたものである。
- この計画の実施により、機材供与を行う5放送局内のラジオ聴取可能人口が21万人から136万人に増加し、地域内コミュニケーションの回復や、行政サービス・保健衛生・農業等の分野での情報提供が行われることによる生活環境の改善のほか、ラジオ放送を通じた小学校教育の充実が図られる事が期待される。
(参考)パプアニューギニアは、豪州の北方に位置し、ニューギニア本島を中心とする大小千以上の島々で構成される太平洋島嶼国中最大の国家であり、人口は約520万人、1人あたりのGNI(国民総所得)は約580米ドルである。