
スリランカの「マータラ上水道整備計画」に対する無償資金協力について
平成15年8月4日
- わが国政府は、スリランカ民主社会主義共和国政府に対し、「マータラ上水道整備計画」(the project for improvement of water supply system in Matara district)の実施に資することを目的として、総額14億9,800万円(平成15年度:2億1,300万円、平成16年度:11億2,700万円、平成17年度:1億5,800万円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡交換が、8月4日(月)、コロンボにおいて、わが方大塚清一郎在スリランカ大使とJ・チャリタ・ラトワッテ大蔵省次官(J.Charitha Ratwatte,Secretary, Ministry of Finance)との間で行われた。
- 現在のスリランカ全体の水道普及率は約65%であり、スリランカ政府は、2025年までに同国の全国民に安全な水の供給を100%にすることを目標にしている。しかしながら、人口増加に伴う需要の増加による新規給水加入者の制限が行われているため、ほとんどの地域では時間給水が実施されており、特に農村部においては、2日間で平均4時間から6時間しか給水されておらず、また、使用されている水も公共井戸から取水された地下水が未処理で使用されているため、赤痢等の感染症が多発し衛生的にも重大な問題となっている。
このような状況の下、スリランカ政府は、水道普及率が約30%と特に低いマータラ地区を対象とした「マータラ上水道整備計画」を策定し、配水池の新設、浄水場や沈砂池の増設等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、マータラ地区の住民の内、約2万人が給水を受けられ、また、現在給水されている地区においても平均約7%の水道普及率の向上が期待されるほか、井戸水ではなく水道水が使用できるようになり、衛生状況の改善も期待される。
- わが国は、本年6月に「スリランカ復興開発に関する東京会議」を主催し、今後3年間で最大10億ドルの支援を実施する用意がある旨表明しており、今回の協力は、こうしたわが国の協力の一環として実施するものである。