
タンザニアの「感染症対策計画(2/2期)」に対する無償資金協力について
平成15年7月29日
- わが国政府は、タンザニア連合共和国政府に対し、「感染症対策計画(2/2期)」(The Project for Infectious Diseases Control)の実施に資することを目的として、4億8,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、7月29日(火)、ダルエスサラームにおいて、わが方出木場一実在タンザニア大使と先方ムゴンジャ大蔵次官(Mr.Gray S.Mgonja, Permanent Secretary,Ministry of Finance)との間で行われた。
- タンザニアではHIV感染者数が近年急激に増加しており、1999年には感染者数が130万人、年間死亡者数は14万人を越える深刻な状況となっている。特に15歳以上の人口では10%から12%がHIV陽性と推計されているほか、妊婦検診では多くの地域で感染者が40%を越えている。このような状況の改善のため、同国保健省は「HIV対策3ヵ年計画」を策定し、カウンセリングと検査を行うセンターの整備およびHIV感染との関連が深い性感染症治療の強化を目指している。
また、これに先がけ、タンザニアでは1975年から「予防接種拡大計画」を実施しており、コールドチェーン(アイスパック、冷蔵庫、ワクチンキャリア等)の整備が行われてきたが、機材の多くが既に老朽化し、ワクチンの品質劣化のため予防接種活動に支障をきたしたため、老朽化した機材の更新が緊急の課題となっている。
このような状況の下、タンザニア政府は「感染症対策計画」を策定し、「HIV対策3ヵ年計画」に必要な機材および予防接種体制の改善に必要なコールドチェーン機材の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、輸血によるHIV感染拡大の危険性が低減すると共に、適切な性感染症の治療を受けられる患者が増加するほか、HIVカウンセリングセンターが効果的に活動することにより、感染率の低下、母子間感染の低減が期待される。また、コールドチェーン機材の整備により、適正なワクチン輸送および効果的な予防接種が実施され、小児の感染症罹患率の低下も期待される。