
ナイジェリアの「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成15年7月28日
- わが国政府は、ナイジェリア連邦共和国における「小児感染症予防計画」(the project for Infectious Disease Prevention for Children)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し、4億円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月28日(水)、アブジャにおいて、わが方松井啓在ナイジェリア大使と先方エジオ・ムルジ在ナイジェリア・ユニセフ代表(Dr.Ezio G.Murzi, Representative of the UNICEF in Nigeria)との間で行われた。
- ナイジェリアの予防接種は、1996年以降は援助国の援助が本格的に再開され、それに伴いポリオの発症に対するモニタリング体制が整備されたこともあり、乳幼児のポリオの発生件数は1998年の312件から2002年の201件と減少した。しかし、依然としてポリオの発生がみられ、ナイジェリアはアフリカで最も人口が多く、人口移動も盛んであるため、他国への感染を防ぐ意味でも、乳幼児に対するワクチン全国一斉投与(NID)の継続した実施が必要とされている。また、同国ではマラリアが乳幼児の主要な死亡原因となっており、その対策が急務となっている。
このため、ナイジェリア政府、WHO(世界保健機関)およびユニセフは、2003年10月から11月の間にポリオNIDの実施を予定している他、母子を対象としたマラリア予防薬等の配布を計画しているが、ナイジェリア政府の財政事情等により、諸援助国の援助に頼らざるを得ない状況となっている。
また、同国の麻疹や破傷風等の感染症を予防するワクチンの通常接種で用いるコールドチェーン機材が老朽化や故障等により支障をきたしており、乳幼児に対する一般予防接種の再活性化のために更新が急務となっている。
このような状況の下、ナイジェリア政府およびユニセフは、NID実施に必要なポリオワクチン、ワクチン通常接種強化に必要なコールドチェーンおよび医薬品の調達等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、約1500万人の5歳未満児に対するポリオ・ワクチン投与が可能となるとともに、妊産婦および子供に対するマラリア予防に資することが期待される。また、老朽化していた既存コールドチェーン機材が更新され、ワクチンの損失を減らすことが可能になる。なお、本件は、世界からポリオを撲滅するためわが国が表明した約8,000万ドルの支援の一環として供与するものである。