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カンボジアの「プノンペン市周辺村落給水計画(2/2)」ほか1件に対する無償資金協力について

平成15年6月25日

  1. わが国政府は、カンボジア王国政府に対し、「プノンペン市周辺村落給水計画(2/2)」および「人材育成奨学計画」の実施に資することを目的として総額4億9,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月25日(水)、プノンペンにおいて、わが方小川郷太郎在カンボジア大使と先方ハオ・ナムホン上級大臣兼外務国際協力大臣(H.E. Mr. HOR Namhong Senior Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で行われた。

    (1)「プノンペン市周辺村落給水計画(2/2期)」(the project for Rural Drinking Water Supply in Peri-Urban of Phnom Penh City)
    4億4,200万円

    (2)「人材育成奨学計画」(the project for Human Resource Development Scholarship)
    5,700万円

  2. (1)「プノンペン市周辺村落給水計画(2/2期)」

     カンボジアでは、1970年から約20年間に及んだ国内紛争の影響による地方組織の弱体化、農村基盤施設の荒廃により、給水施設の整備が立ち遅れており、地方住民は、飲料水を雨水、河川水、池・湖等の自然水源の他、浅井戸、溜池に依存している。しかしながら、これらの水源は大腸菌などに汚染されており、衛生状態の悪化による水因性疾患の発生率も高い。さらに乾期の水不足も深刻で、地域の貧困状況の停滞もしくは活力ある農村社会基盤形成の障害となっており、安全な飲料水供給を可能とする地下水開発・井戸建設が急務となっている。このような状況の中、カンボジア政府の農村開発省(MRD)は「第1次地方給水5カ年計画」(1996年から2000年)に引き続き、「第2次地方給水5カ年計画」(2001年から2005年)を策定し、地方給水率を29%(1999年)から40%まで改善することを目標としている。
     このような状況の下、カンボジア政府は、わが国が行った開発調査「南部地下水開発計画調査」の結果も踏まえ、人口も多く、特に優先度が高いプノンペン市周辺の60村落の内、25村落に対し、ハンドポンプ付深井戸の建設およびそれに必要な機材の調達を目的とした「プノンペン市周辺村落給水計画」を策定し、この計画の実施に必要な資金につきわが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。

    (2)「人材育成奨学計画」

     カンボジアでは、1970年代から約20年間にわたる内戦により多くの人材を喪失し、戦後の復興・開発の中核を担う行政機関等においては、有望な人材の確保が困難となっており、同国における近年の市場経済化、近代化等への対応が必ずしも十分に行えない状況にある。また、初等・中等教育における教員教育および教科書・始動教材の不足が問題となっている。
     このような状況の下、カンボジア政府は人材育成において留学制度が果たす重要な役割に鑑み、「人材育成奨学計画」を策定し、この計画のための現地における事前教育等の資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。なお、この計画は、カンボジアの将来を担う若手行政官等約20名を対象に、日本の大学院における学位取得等を前提とした留学に対して経費を支援するものである。
     この計画の実施により育成される人材が、各分野のリーダーとして、カンボジアが抱える諸課題の解決に貢献するとともに、今後の日・カンボジア両国間の友好協力の架け橋となることが期待される。
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