
ベトナムの「麻疹ワクチン製造施設建設計画」に対する無償資金協力について
平成15年6月24日
- わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「麻疹ワクチン製造施設建設計画」(the project for the Construction of the Facilities for Measles Vaccine Production)の実施に資することを目的として、21億4,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月24日(火)、ハノイにおいて、わが方服部則夫在ベトナム大使と先方チャン・ティ・チュン・チエン保健大臣(Ms. TRAN THI TRUNG CHIEN, Minister of Health)との間で行われた。
- ベトナム政府は、保健分野の開発目標として疾病予防の質の向上を提唱しており、乳児・幼児死亡率を引き下げるとともに、伝染病疾患の罹患率・死亡率を引き下げ、伝染病の流行の抑止を重要課題とし、特に麻疹を児童の死亡の主要因の一つとしてその予防に力を入れている。このため、同国政府は予防接種拡大計画を進めているが、先進国の麻疹ワクチンメーカーは、低価格のワクチンからより付加価値の高いワクチンの生産へ方向転換を図る傾向にあり、輸入を必要とするベトナムではワクチンの安定供給の確立が急務となっている。このような状況の下、ベトナム政府は麻疹ワクチンを自国で製造するため「麻疹ワクチン製造施設建設計画」を策定し、この計画のための麻疹ワクチン製造施設の建設および機材の調達等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、麻疹ワクチン製造施設が建設され、児童に対し麻疹ワクチンの予防接種が2回行われることになり、麻疹の患者数・罹患率・死亡率が低減することが期待される。