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マダガスカルの「国道7号線バイパス建設計画」ほか1件に対する無償資金協力について

平成15年6月23日

  1. わが国政府は、マダガスカル共和国政府に対し、「国道7号線バイパス建設計画」および「第二次南西部地下水開発計画(3/4期)」の実施に資することを目的として、総額36億200万円を限度する額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月23日(月)、アンタナナリボにおいて、わが方吉原修在マダガスカル大使と先方マルセル・ランジェヴァ外務大臣(M. Marcel RANJEVA, Ministre des Affaires Etrangeres)との間で行われた。

    (1)「国道7号線バイパス建設計画」
    (Projet de construction d'un By Pass de la Route Nationale n°7)
    :総額31億2,700万円
    (平成15年度:6億7,000万円、平成16年度:12億7,700万円、平成17年度:8億100万円、平成18年度:3億7,900万円)

    (2)「第二次南西部地下水開発計画(3/4期)」
    (Projet de l'exploitation des eaux souterraines dans la region sud-ouest de Madagascar, Phase II)
    :4億7,500万円

  2. (1)「国道7号線バイパス建設計画」
     マダガスカルの首都アンタナナリボ市は、国内主要都市を放射状に結ぶ5つの主要幹線道路の起点となっているが、幹線道路を横断する道路が整備されていないため、深刻な交通渋滞が慢性的に発生している。特に首都アンタナナリボから第二の都市フィアナランツォアを結び、マダガスカルの穀倉、工業地帯を横断する国道7号線の首都南方約5km地点に位置するタンジュンバト地区においては、極度の交通渋滞が慢性的に発生し、物流、運輸の恒常的障害となっている。
     このためマダガスカル政府は、「首都圏環状道路整備計画」を策定し、交通渋滞の緩和を図っているが、年間約8%の車輌台数の増加および財政難のため、未だ劣悪な道路整備状況にあり、同国の経済開発において深刻な阻害要因となっている。
     このような状況の下、マダガスカル政府は、国道7号線および首都を国内最大の輸出港トアマシナとを結ぶ主要幹線道路である国道2号線と繋ぎ、タンジュンバト地区を迂回するバイパスを建設するため「国道7号線バイパス建設計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、首都の慢性的な交通渋滞が緩和され、穀倉、工業地帯と輸出港を結ぶ輸送路が拡充され、輸送能力が向上し、沿線の農民、軽工業従事者等の経済活動の活性化が期待される。

    (2)「第二次南西部地下水開発計画」(3/4期)
     マダガスカルでは、従来より給水率の向上が課題となっており、現在は都市部の給水率が83%まで改善されているものの、地方部での給水率は未だ12%程度しかなく、周辺諸国と比べ最低水準に留まっている。
     このような状況を改善するため、マダガスカル政府は1999年に「水に関する法令」を策定し、給水分野に係わる機構改革、受益者負担の原則、民間活力の積極採用などを柱とした政策を打ち出すとともに、2000年には「貧困削減戦略ペーパー」(PRSP)を策定し、2015年までに地方の給水率を80%に改善する目標を定め、国連児童基金(ユニセフ)を始め国際機関等の協力を得ながら給水政策を推進している。
     このような状況の下、マダガスカル政府は、給水率が約10%と劣悪な状況にある同国南西部チュリアール州メナベ県を対象とした「第二次南西部地下水開発計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     なお、今回は計画の第3期目である今回は、メナベ県29村落における足踏み式ポンプ給水施設、深井戸56本の掘削、3村落における公共水栓給水施設の建設、3村落の既存ハンドポンプ給水施設の改修、および対象村落住民に対する技術指導が行われる。
     この計画の実施により、対象村落の住民約6万8,000人に安全な水が供給されるとともに、住民および先方政府機関による給水施設の維持管理能力が向上することが期待される。
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