
エチオピアの「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成15年5月29日
- わが国政府は、エチオピア連邦民主共和国政府における「小児感染症予防計画」(the project for Infectious Diseases Prevention for Children)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国際連合児童基金)に対し3億6,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月29日(木)、アジスアベバにおいて、わが方庵原宏義在エチオピア大使と先方アブデルマジッド・ティボウティ在エチオピア・ユニセフ副代表(Mr. Abdelmajid Tibouti, Deputy Representative of the UNICEF Office in Ethiopia)との間で行われた。
- エチオピアでは、政府、ユニセフ、WHO(世界保健機関)が中心となり調整委員会が形成されており、ポリオ撲滅活動を支援している国際機関、二国間援助国、NGO(非政府組織)が委員となり、エチオピア政府に対し、資金協力だけでなく、政策策定支援や技術支援を行っている。同国では同委員会の協力の下、1997年から全国一斉投与(NID)が開始され、1996年には264件だったポリオ発生件数は、2001年の発生件数は1件、2002年の発生が見られなくなるまで減少しており、引き続き、エチオピア政府およびユニセフは、2003年度NIDの実施を今年10月に予定している。
また、エチオピアでは、麻疹の流行が子供の健康に深刻な影響を与えており、2000年には145万件の麻疹患者が発生していると推定され、7万2,000人が死亡していると見積もられている。このため、エチオピア政府は、毎年実施している麻疹ワクチンの接種率が低い(1998年46%)ことを背景に、ユニセフによる指導の下、ポリオ・ワクチンのNIDと同時に、麻疹ワクチンの全国一斉投与を実施することとしている。
このような状況の下、エチオピア政府およびユニセフは、「小児感染症予防計画」を策定し、NID実施に必要なポリオ・ワクチンおよび麻疹ワクチンの調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、約560万人の5歳未満児に対するポリオ・ワクチン投与および約230万人の児童に対する麻疹ワクチンの投与が可能となる。なお、本件は、世界からポリオを撲滅するためわが国が表明した約8,000万ドルの支援の一環として供与するものである。