
インドの「ポリオ撲滅計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成15年5月29日
- わが国政府は、インドにおける「ポリオ撲滅計画」(the project for the Eradication of Poliomyelitis)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国際連合児童基金)に対し、8億3,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月29日(木)、ニューデリーにおいて、わが方林暘大使と先方マリア・カリヴィス在インド・ユニセフ代表(Ms. Maria Calivis, Representative of theUNICEF office in India)との間で行われた。
- インド政府は、ユニセフおよびWHO(世界保健機構)の指導の下、1995年よりポリオ・ワクチンの全国一斉投与(NID)を実施し、ポリオ撲滅に向けて取り組んできており、この結果、1994年には5,881件であったポリオ報告例が2001年には268件に減少した。しかしながら、2002年には1,599件の報告がされており、インドにおけるポリオの増加および隣国への感染が危惧されているとともに、WHOが中心となって進めているポリオ根絶計画においても最大の対象国となっているが、人口約10億人の同国では、全土の5歳以下の児童を対象とした本計画には膨大なワクチン量が必要となるため、自国だけで投与を継続していくことは財政的に困難な状況にある。
このような状況の下、インド政府およびユニセフは「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のためのポリオ・ワクチン等の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、インドの約2,100万人の児童に対するワクチン接種が可能となる。なお、本件は世界からポリオを撲滅するため、わが国が表明した約8,000万ドルの支援の一環として供与するものである。