国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

セルビア・モンテネグロの「バイナ・バシュタ揚水発電所改修計画」に対する無償資金協力について

平成15年5月27日

  1. わが国政府は、セルビア・モンテネグロ政府に対し、「バイナ・バシュタ揚水発電所改修計画」(the Project for Rehabilitation of the Bajna Basta Pumped Storage Hydroelectric Power Plant)、の実施に資することを目的として、6億4,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月27日(火)、東京において、わが方川口順子外相と先方ゴラン・スヴィラノヴィッチ外相(Goran Svilanovic, Minister for Foreign Affairs of Serbia and Montenegro)との間で行われた。

  2. セルビア・モンテネグロでは、2000年10月に、約10年間にわたるミロシェヴィッチ前大統領の政権が崩壊し、ボイスラブ・コシュトゥニッツァ大統領の下で新政権が誕生し、民主化に向けた改革に着手したが、長期にわたる旧ユーゴ紛争及び国際社会による経済制裁により同国の経済は長期間停滞・低迷を続けている。
     バイナ・バシュタ揚水発電所は、国内唯一の揚水発電所であり、同国内の電力運用において重要な位置を占めている。しかし、運転開始以降20年たった現在まで一度も本格的な補修が実施されておらず、安定した電力供給の確保、信頼性と安全性の確保の観点から同発電所の補修を早急に実施する必要が生じているが、電力公社であるセルビア電力産業公社の財政状況の悪化のため、維持管理が困難な状況にある。
     このような状況の下、セルビア・モンテネグロ政府は、バイナ・バシュタ揚水発電所の既設発電設備の発電能力を維持し、電力供給における信頼性の向上及び設備稼働率の向上を図るため「バイナ・バシュタ揚水発電所改修計画」を策定し、水車発電機(1号機および2号機)ならびに関連電気設備の補修に必要な資金につきわが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、セルビア・モンテネグロの電力事情が改善され、社会経済活動に必要な電力の安定供給が強化さることが期待される。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る